インフレが見えないのは経済学者だけ!?

 発表された米国5月の消費者物価指数を見て、投資家たちは、ドイツ銀行のアナリストの言葉を思い出したことでしょう。

アメリカは史上最悪のインフレ期に向かっているのかもしれない。

下記が発表された数値です。

・5月消費者物価指数(CPI)(前月比):0.6% (予想:0.4%)

・5月消費者物価指数(CPI)(前年同月比):5.0% (予想:4.7%)

・5月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比):0.7%(予想:0.4%)

・5月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比):3.8%(予想:3.4%)

物価が上昇していることは、実際に買い物をしている消費者には既に分かっていたことですが、今日の発表で、消費者たちは具体的な上昇率を知ることができました。

ザ・ハイテク・ステラテジストのフレッド・ヒッキー氏は、こんなツイートをしています。(このツイートは、「中古車価格と、レンタカー料金の上昇がインフレの大きな原因でしょう?」というツイートに対する返答です。)


あなたの周りを見てください。今までより安く買える物はありますか?スーパーマーケットで買い物をしていますか?ガソリンスタンドへ最近行ってますか?ガソリンは56.2%の上昇、衣料品は5.6%の上昇、旅行に必要な交通費は11.2%の上昇、住宅は19%も上昇しています。インフレが見えないのは経済学者だけです。

熱い物価指数が発表されたのですが、下のチャートで分かるように、今日の取引では米10年国債の利回りが下がりました。


見てのとおり、利回りは5月7日の安値を割って1.459%で終了となりました。当然のことですが、多くの人たちの疑問はこれです。

物価指数は予想を大きく上回ったのに、国債の利回りはなぜ下げたのだろうか?

上のチャートに、このような線を引いている人たちもいます。


言うまでもなく、利回りは天井の形成中という見方です。

次に、利回りチャートの上下をひっくり返してみましょう。(使用のチャートはトレーディングビューです。「alt」キーと「I」キーを同時に押すと、チャートがひっくり返ります。トレーディングビューは無料で試用できます。)


下降基調が終わり、上昇基調が始まったように見えますね。

パウエルFRB議長は「インフレは一時的なものである」という意見を繰り返し述べましたが、利回りチャートは、まるでその言葉に従ったような動き方です。言い換えると、ウォール街は、パウエル議長の言葉をシナリオにして取引をしているような様相です。

よく言われることですが、現政権のイージー・マネー・ポリシーで世の中にはドルが溢れています。この腐るほどあるドルが、限られた物資に向かったら物価が大きく上がるのは目に見えています。このような状況であるにもかかわらず、10年国債の利回りが低下しているのですから多くの投資家たちが困惑していることでしょう。

10年国債利回りの上昇は、金融セクターに好影響となりました。下は、金融セクターのETFの日足チャートです。


矢印で示しましたが、今日の取引では長めの陰線が形成されました。アップトレンドに崩れはまだありませんが、利回りの低下が更に続くようなら、金融セクターの投資には要注意です。

繰り返しになりますが、大幅上昇となった物価指数、それに現政権のイージー・マネー・ポリシーを考えると、インフレは一時的なものであるとは思えません。しかし、そんなことに関係なく、国債の利回りは下降が始まっているという状況です。

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