11月3日に迫った米大統領選挙、心配な暴動
11月3日の米大統領選挙まであと11日となりました。
警官たちは、国民を大きな不安に陥れる暴動が米国各地で選挙後に起きることを予期している。-- マイケル・スナイダー(The Economic Collapse)
テレビやラジオでは、「どちらが勝っても、選挙の夜はひどい状態になるだろう」と繰り返し放送されています。言い換えると、一部の地域だけでなく、米国のいたるところで暴動が心配されているわけですから、多くの人たちが緊張しています。
投資家たちが不思議に思っていることはこれです。
不安な時は株が売られ資金が国債へ逃げるものだが、そのようなことは現在起きていない。
下のチャートを見てください。
上半分は米長期国債のETF、下半分は大型株で構成されているS&P500指数のETFです。Aで分かるように国債は売られ、約2年ぶりに200日移動平均線を割っています。先日の動画(7本の移動平均線が持つ意味)で説明したように、200日移動平均線は「ブルマーケット最後のサポート」と解釈されていますから、今回の200日移動平均線割れを一大イベントと受け取った投資家は多いことでしょう。S&P500指数は9月の高値に迫っています(B)。まるで、国債を売った資金が株へ流入しているような様相です。
国債が売られると利回りが上昇します。
国債利回りの上昇は銀行株に好影響となっています。
上半分は10年国債利回り指数、下半分は銀行株のETFです。Aで分かるように、銀行株のETFは200日移動平均線を木曜の取引で突破です。
ドル安、インフレリスク、追加経済刺激策などを理由に、ゴールドマン・サックスは2021年のテーマとして商品のブルマーケットを指摘しています。下が、発表された向こう12ヶ月間の予想です。
・貴金属:+17.9%
・エネルギー:+42.6%
・工業用金属:+5.5%・農産物:-0.8%
具体的な数値で見てみると、WTI原油の12ヶ月予想は61ドル、ブレント原油は65ドル、金は2300ドル、そして銀は30ドルです。
暴動の話に戻ります。警官に首を膝で押さえられて黒人が死亡したとき、ミネアポリスで大きな暴動が起きました。これは各地に広がり、特にひどかったのは、市の一部が暴徒によって占拠されたシアトルです。反人種差別デモが本来の目的でしたが、最終的には単なる略奪と放火が目的になってしまいました。
今回も心配されるのは、略奪と放火を目的にした全国的な暴動です。これは一例ですが、ニューヨーク市警の内部メモが外部に漏れ、多くの市民を心配させる結果になっています。メモの内容は、早ければデモ活動は10月25日に始まり、過激化したデモは来年まで続くというものです。一部の市民は既にニューヨークから脱出、避難を始めています。
悲しいことですが、新型コロナで多くの人たちが失業しイライラしている状態です。怒りを爆発させるために略奪に加わる人は少なくないような気がします。
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