大した話題にならなかったS&P500指数の高値更新

CNBC:S&P500指数は新高値で終了、コロナウイルスによる下げから完全に回復

下が日足チャートです。

新高値と言っても、CNBCが報道したのは終値だけを考慮した場合の新高値です。現に、今日の終値は2月19日のザラ場で記録された高値3393.52よりまだ下にあります。今日のローソク足(矢印)は、まるで点のような貧弱な形ですから、大きな陽線で3393.52を上回って終了とならない限り、投資家たちは新高値を祝う気分にはなれないことでしょう。

コロナウイルスの底となった3月23日以来、S&P500指数は51%の上昇となり、下は同期間に最も大きな上昇となったS&P500銘柄のトップ5です。

  • アパッチ(APA):+254%(エネルギー)
  • ハリバートン(HAL):+214%(エネルギー)
  • エル・ブランズ(LB):+207%(サービス:アパレル企業)
  • ワールプール(WHR):+183%(一般消費財:大手家電メーカー)
  • フリーポート・マクモラン(FCX):+167%(原材料・素材)
下は最も下げた5銘柄です。
  • コティ(COTY):-23%(一般消費財:美容品メーカー)
  • ファーストエナジー(FE):-13%(公益事業)
  • ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA):-7%(サービス:薬局チェーン)
  • ギリアド・サイエンシズ(GILD):-5%(医療関連)
  • ウェルズ・ファーゴ(WFC):-5%(金融)
上昇の1位と2位はエネルギー銘柄、そして第5位に入っているのは原材料・素材銘柄です。上記の結果は3月23日以来という短い期間ですが、下のチャートを見てください。(チャート:StockCharts)


原材料・素材(Materials)とエネルギー(Energy)は、どのような状況で買われる傾向があるでしょうか?上のチャートから、次の二点を読むことができます。
  • 本格的なリセッション (Full Recession)が終わり、経済の初期回復段階 (Early Recovery)で買われる傾向がある。
  • マーケットの天井(Mrket Top)で買われる傾向がある。
言うまでもなく、「マーケットの天井」という言葉が気になります。

トレーシー・アロウェイ氏(ブルームバーグ)は、このようなツイートをしています。


バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチの調査によると、ファンドマネージャーたちは、現状はリセッションであるという見方から、経済は新サイクルの初期段階であるという見方に変わり始めている。
ということで、エネルギーと原料・素材が買われたことに頷けますが、当然のことながら、ファンドマネージャーの見解が間違っていることもありえます。言い換えると、経済はこれから更に悪化するというシナリオです。

下は、金のETFの週足チャートです。


見てのとおり、上昇が相変わらず続いています。ご存知のように、経済や社会情勢が不安な時、投資家たちは資金の一部を金に避難させます。更に、金を敬遠していたウォーレン・バフェット氏が金鉱株を買っていたことが先日報道され、「経済回復はまだ先の話だ」という見方も広がっています。

トレーダーたちのツイートを見て気がつくことは、多くの人たちが、2つのチャートパターンを予想しています。先ず、ダブルトップ(二番天井)です。

S&P500指数(週足):


もう一つの可能性はメガホンです。

S&P500指数(月足):


1の矢印で分かるように、S&P500指数はもう少し上昇できる余地が残っています。しかし、その次にやって来るのは厳しい下げ(2)ですから、投資家にとってメガホンは実現してほしくないパターンです。

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