株価は急ピッチに回復、待っているのは大失望??

5月のマーケットが終了しました。今月のS&P500指数は4.5%の上昇となり、業種別に見た場合、最も上昇したのはプラス25.3%のレクリエーション用車両になり、下が日足チャートです。

安値となった4月3日以来112%の大幅上昇となり、3月に起きた暴落から、ほぼ完全に回復しています。

この業種で、時価総額が最も大きいのはポラリス・インダストリーズです。
ポラリス・インダストリーズは、オフロード車(ORV)やスノーモービルを製造する米国メーカー。全地形対応車(ATV)、サイド・バイ・サイド・スポーツ車両、スノーモービル、オートバイ、小型自動車、関連交換部品、衣類やアクセサリーを設計、製造する。「レンジャー」、「ブルータス」、「RZR(レーザー)」などのブランド名で展開。(ヤフーファイナンスから抜粋)

とても楽しそうですね。山道を、この車で走ったら、さぞ爽快でしょう。ソフトウェアの会社を経営する知人も、ポラリスの車を持っています。コロナウイルスで家に閉じ込められている日々が続いているので、週末は長男と一緒に砂漠へ行って、ポラリス車を乗り回しています。

下は、ポラリス・インダストリーズの日足チャートです。


今月の成績は+23.1%、そして安値となった4月3日から測定した場合は+123.9%です。

オートバイでお馴染みの、ハーレーダビッドソンもこの業種に入ります。下が日足チャートです。


ポラリス・インダストリーズのような好調さはありません。今月はマイナス2.2%、安値となった3月からは39.1%の成長です。

もう一度、一番上のチャートを見てください。レクリエーション用車両ですから生活必需品ではありません。娯楽用の製品を作っている企業の株が好調なのですから、米国消費者は健在であると思ってしまいます。

報道されているように、最近10週間で、米国の新規失業保険申請者数は4000万人を超えました。米国労働人口の25%に相当する数値です。これは単なる一時的な失業であり、米国経済はV字型の回復となるという強気論者もいますが、こういう意見調査結果があります。
米国各州は、経済活動がゆっくりと再開している。しかし、米国民の71%は、アメリカは既にリセッション、または恐慌に入ったと回答している。70%以上の回答数値が、4月の半ば以来続いている。(ギャラップ社)
下が、意見調査結果のチャートです。



こんな調査もあります。


コロナウイルスでストップ状態だったビジネスを再開するにあたり、小さな会社の経営者たちが心配していることです。第1位に入っている回答(39%)は、「十分な売上を期待できないから、営業を再開するのは意味が無いと思う」です。極論すれば、39%の小企業の経営者は営業を再開しないで倒産を選ぶ可能性がありますから、米国の失業状況は、そう簡単に回復するとは思えません。

更に、破産申請のニュースも次々と報道されていますから、米国経済の回復はかなりの時間がかかりそうです。たとえば、5月15日に破産申請をしたJCペニー(百貨店)は846の店を経営し、242店を永久に閉鎖することを発表しています。同業種ではニーマン・マーカス、そしてJクルーも経営破綻となっています。

5月23日には、2兆円の債務を抱えるレンタカー大手のハーツの破綻が報道されました。現金を手に入れるために、ハーツが保有する50万台の車の多くが売却されることが予想され、中古車市場が大打撃を受けることが心配されています。

こんなに悲観的な材料が多いにもかかわらず、株式市場は3月の暴落から急速に回復してしまいました。ジェシー・フェルダー氏(The Felder Report)は、こう述べています。
現在の株価は、ファンダメンタルズから大きくかけ離れてしまった。今年後半に経済が回復することを投資家たちは期待しているが、大失望となる可能性が高い。
(ソース:A Growing Wave of Bankruptcies Threatens U.S. Recovery

46% of Small Business Owners Concerned They Don’t Have Enough Money to Reopen

In U.S., 71% Believe Economy Is in Recession or Depression

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