売られすぎのマーケット:デッド・キャット・バウンスがやって来る??

今週のダウは12%、そしてS&P500指数は11%の下落となり、金融危機以来最大の下げとなりました。来週のマーケットは、どんな展開になるでしょうか?
厳しい下げとなった後だけに、投資家たちはマーケットの底打ちシグナルを探すことだろう。(CNBC)
報道によると、第二次大戦以来、S&P500指数には26回の調整があり、平均的な下げは13.7%におよび、この下落からの回復に平均で約4ヶ月の時間がかかっています。

下は、S&P500指数の週足チャートです。


先ず目につくのは巨大な陰線です(1)。しかし位置的に見た場合、50%の値戻しレベル(2、2018年12月の安値から今月の高値で測定)がサポートになり、やや反発して今週の取引を終えています。下に入れた指標は、多くのトレーダーや投資家に活用されているMACDです。3で示した部分で分かるように、MACDラインがシグナルラインをクロスして売りシグナルが出ています。
今週のマーケットで起きたのは持ち株の投げだ。投資家たちは、株価など気にしないで持ち株を売った。-- キース・ラーナー(Truist/SunTrust Advisory)
もしラーナー氏の言葉が正しいのなら、この大きな下げで投資家たちは完全な降伏状態、またはほぼ完全な降伏状態に近いと判断することができます。もしそうなら、売り物は出尽くした可能性がありますから、マーケットは反発ラリーをそろそろ展開することが考えられます。

しかし、こんなコメントもあります。
ほとんどの個人投資家は平静、パニックなどしていない。今週の大幅下落の原因は、コンピュータ・プログラムを駆使して行われたHFT(高頻度取引)だ。言い換えると、マーケットはHFTに乗っ取られた。全ては急速に行われ、以前のようなゆっくりとした苦痛なマーケットではない。現に、顧客からは全く電話は無い。-- マイケル・コーン(アトランティス・アセット・マネージメント)
コーン氏の話を信じるなら、投資家たちは降伏からはほど遠い状態ですから、本格的なパニックが起きるためには更なる下げが必要です。

ご存知のように、世界の投資家たちを不安にさせているのは新型コロナウイルスです。今日は米国で初の感染者の死が報道されましたから、月曜のマーケットに悪影響となる可能性があります。もちろん、政府当局や連銀関係者からもコメントや対策が発表されるでしょうから、マーケットは一転してラリーの展開となる可能性もあります。

ここで思い出す言葉は「デッド・キャット・バウンス」です。
デッド・キャット・バウンス:マーケットが大きく下げた後、一時的に起きる反発のこと。英語では「Dead Cat Bounce」(=死んだ猫でも、高いところから落とせば弾む)で、ウォール街で使われる格言の一つ。(野村證券 証券用語解説集)
死んだ猫が弾むのですから本当の反発ではありません。言い換えると、デッド・キャット・バウンスは、売り手たちに良い戻り売りの機会を与えることになります。では、どのへんで戻り売りが起きるでしょうか?分かりやすい場所は「窓」と「200日移動平均線」です。S&P500指数の日足チャートを見てみましょう。


窓の上限(A)がレジスタンスになる可能性があります。たとえAを突破したとしても、売り手たちは、200日移動平均線(B)で待っていることでしょう。もちろん、これは日足チャート上での話ですから、60分足や15分足チャートも考慮すると違った位置での空売りタイミングを見つけることができます。

では、どんなことが起きたら投資家たちは再び強気になるでしょうか?役立つのはVWAP(出来高加重平均)です。


S&P500指数の日足チャートです。入れた線は、高値となった2月19日から引いたVWAPです。現在の指数はVWAPより下にあり、単純に言うと、2月19日以来買った人たちの損益合計はマイナスです。しかしVWAPを突破なら、買った人たちの損益合計はプラスになりますから、投資心理は大きく好転するでしょう。

(参照した記事:The Dow lost 12% in one week. Here’s why and what likely happens next

A historically bad week for the market saw a little bit of everything, except panic

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