手数料ゼロで米国の証券会社はどうやって儲けているの??

株の取引手数料をゼロにする米国の証券会社が増え、個人投資家たちは、早速こんな反応を見せています。(チャート:sentimentrader)

上のチャートには、Eトレード(オンライン証券会社)の顧客たちによるトレード回数が示されています。(上半分はS&P500指数、下半分が顧客による株の取引回数。)
手数料がゼロになったことで、個人トレーダーたちの取引回数が増えることは予想されていた。しかし、取引回数は単に増えたのではなく、1月の取引回数は爆発的な上昇となった。たとえばEトレードの場合、1月の顧客によるトレード回数は45万回を超えた(円で囲った部分)。更に、TDアメリトレード証券の1月の顧客によるトレード回数は、Eトレード以上に伸びたようだ。(sentimentrader)
sentimentraderの結論です。
Bull market (上げ相場)+ free trading (ゼロ手数料)=explosion in activity(トレード回数の爆発)
当然疑問になることは、証券会社は株の手数料をゼロにして、いったいどうやって利益を上げているのでしょうか?もちろん、見方を変えると、証券会社は手数料をゼロにしても儲けることができるということです。

手数料がゼロでもやっていける主な理由:
  • Payment For Order Flow:顧客から得た株の取引注文を他社へ流すことで利益を得ることができます。たとえば、A社が顧客から1000株の買い注文を得たとします。A社は、この買い注文を第三者であるB社へ流します。こうすることで、A社は一株あたり1セント、または0.5セントといった手数料をB社から受け取ることができます。
  • 証券会社によっては株の手数料は極めて重要な収入源ではない:たとえばチャールズ・シュワブの場合、株の手数料収入が全体の収入を占める割合は8%です。収益内容を見てみると、32%は顧客の資産管理、そして57%の収益は顧客の口座から得る利子収入です。もちろん、全ての証券会社がチャールズ・シュワブのような恵まれた状態にある訳ではありません。TDアメリトレードの場合、株の手数料収入が占める割合は36%もあります。これが意味することは、手数料ゼロは企業利益に大きな悪影響を与えます。不利になった小証券会社は大手に吸収され、証券会社の数が減ることが予想されています。
  • 売値と買値の差で利益を上げる:米株には売値と買値の二つがあります。たとえばツイッター株の場合、売値(Bid)は36ドル85セント、買値(Ask)は36ドル86セントです。もし私が持ち株100株を36ドル85セントで売り注文を出すと、これを受け取った証券会社は私の株を36ドル85セントで買って、他の客に36ドル86セントで売ることができます。ですから、証券会社は、1株あたり1セントの利益を上げることができます。株によっては、売値と買値の差が5セント以上のものもあります。
上記したことですが、証券会社は顧客の口座から利子収入を得ています。代表的なのは信用取引の金利ですが、顧客の口座にある現金も収入源になっています。たとえば、あなたの口座に5万ドルの現金があったとします。証券会社は、この現金に0.1%の利子を払いますが、証券会社はこの5万ドルを他のもの、たとえば10年国債に投資して1.5%の利子を得ることができます。

繰り返しになりますが、チャールズ・シュワブやフィデリティのように様々な金融商品を揃え、銀行業務も行う大手証券会社なら株手数料ゼロは痛くありません。そればかりか、手数料をゼロにしたことで口座開設者が増え、収入源となる現金が手に入ります。手数料ゼロの導入で、大手証券会社はますます強くなりそうです。




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