投資姿勢を変えるのは極めて難しい!?

間違ったときは素直に間違いを認めて、行動を訂正するべきであることは分かっているのですが、自分の意見に執着してしまうと、なかなかそう簡単に行動の修正ができなくなってしまいます。株の世界での一例として、Above the Marketはジョン・ハスマン氏をあげています。

スタンフォード大学で博士号を取得、そしてミシガン大学で教鞭をとった後、ハスマン氏はハスマン・ストラテジック・アドバイザーズを創立してファンド・マネージャーに転身しました。2008年ー2009年の金融危機を予想したハスマン氏は脚光を浴び、氏の運用するファンドには資金が殺到し、2010年9月には運用額は67億ドルに達しました。

しかし、その後のハスマン氏の投資成績は冴えません。なぜなら、株式市場は金融危機の混乱から回復し上昇が始まったのですが、ハスマン氏は弱気姿勢を変えなかったのです。下が、ハスマン氏の意見です。
  • 2010年:投資家たちは、マーケットが更に大幅下落となる可能性を過小評価している。
  • 2011年:株式市場から期待できる利益は大きく下がった。
  • 2012年:今日のマーケットで投資対象になる銘柄数は史上最低だ。
  • 2013年:株から見込める利益は極めて少ない。
  • 2014年:株は割高、買われ過ぎ、投資家たちは楽観的すぎる。
  • 2015年:保有している株を全て売れ。
  • 2016年:極端な現状を考慮すると、株式市場は40から50%の下落となることが予想される。
  • 2017年:現在のマーケットは、史上見たことのない割高なレベルに達している。
  • 2018年:音楽は小さくなり、罠が仕掛けられているのに、人々はまだ踊っている。
  • 2019年:マーケットは50から65%の下落となる。これは楽観的な意見だ。
ハスマン氏のファンドの過去10年間の成績は年率でマイナス7.54%になり、米国株式市場のバロメーターであるS&P500指数の+13.24%を大きく下回っています。当然の結果として投資家たちは逃げ、67億ドルあった運用資金は2億5000万ドルに減っています。

もちろん、弱気な見解を発表したのはハスマン氏だけではありません。他の例として、Above the Marketはこれらをあげています。
  • 2010年、ヌリエル・ルビーニ(経済学者):世界経済の悪化に伴い、株式市場は更に20%の下げとなるだろう。
  • 2011年、デービッド・ローゼンバーグ(グラスキン・シェフのチーフエコノミスト):そろそろリセッションがやって来る。S&P500指数は1000をテストすることになるだろう。
  • 2012年、アンドリュー・スミザーズ(英国の経済学者):米国の株は40から55%の割高だ。
  • 2013年、ピーター・シフ(ユーロ・パシフィック・キャピタル):マーケットは、2008年ー2009年の金融危機の時よりひどい暴落になるだろう。
  • 2014年、ヘンリー・ブロシェット(ビジネス・インサイダー):株式市場は40%から55%の暴落となる。
  • 2015年、ドナルド・トランプ(大統領に当選する一年前):株式市場はバブル、リセッションがそろそろやって来る。
  • 2016年、ポール・ファーレル(マーケット・ウォッチ):株式市場の暴落は間違いなく起きる。
  • 2017年、ジェフリー・ガンドラック(ダブルライン・キャピタル):全てを売りなさい。マーケットに良いものは無い。
  • 2018年、スコット・マイナード(グッゲンハイム・パートナーズ):株式市場は40%の大幅下落となるだろう。
  • 2019年、マーク・ユスコ(モルガンクリーク・キャピタル):大きなリセッションが差し迫っている。これを止めることは誰にもできない。
著名人の言うことは、単なる意見だということは分かっているのですが、著名人であるだけに私たち個人投資家は彼らの言葉に影響されてしまいます。専門家の意見を聞くことは悪くないと思いますが、それを100%信じて投資することは勧められません。

当たる外れるは別として、私たちも、こんな2020年のマーケット予想をすることができるとklement on investingは指摘しています。
  • 株式市場は更に上昇となり、投資家たちは超楽観的になるだろう。
  • そして株式市場には比較的大きな下げが起き、投資家たちはパニックする。
  • アナリストたちは、「株はまだ割高だ。株式市場はもっと下げる」と警報を発するだろう。
  • そして株がある程度下げると、アナリストたちは、「株は割安なレベルに達した。買いのチャンスだ」と言うことだろう。
  • 「今年のマーケットは難しい。慎重に株を選ぶ必要がある」、とアナリストたちは忠告するだろう。
  • 企業はガイダンスの引き下げを発表する。そして、低く予想された利益を超える決算を発表して株価が上昇する。
  • 悪すぎる決算を発表した企業は経営者を首にする。
  • マスコミは、長期的に見た株式市場の結果に関係のない政治ニュースばかりを報道するだろう。
  • CNBCやブルームバーグTVは、誰も興味が無いニュース、役に立たないニュース速報を報道し続けるだろう。
  • もし株式市場は下がらないのなら上昇するだろう。

繰り返します。専門家の意見やニュースを聞くのは悪いことではありません。しかし、一つの意見に執着してしまうことは危険です。

(参照した記事:Forecasting Follies 2020


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