トレードのスランプからどう脱出するのか?あるトレーダーの話

こんな内容の話を何度か聞いたことがあります。

「トレードが上手くいかない、スランプだ」と言うトレーダーと最近話す機会があった。

スランプに陥る原因は何かが狂ってしまうからだ。本人には、何が狂ってしまったのか分からないから、とても悩むことになる。「スランプだ、ダメだ、何かが変だ」と同じ言葉を繰り返すのではなく、トレードを振り返って二つのことを考えてほしい。
  • トレード出動のタイミングが間違っていないだろうか?
  • 利食いのタイミングが間違っていないだろうか?
もちろん、上記2つのことを振り返るにはトレードの記録が必要になる。ここで買って、ここで売ったという数字だけの記録ではなく、できればトレードした時のチャートもキャプチャしてほしい。

「トレードが上手くいかない、スランプだ」、と言うトレーダーの話に戻ろう。彼は勉強熱心であり、様々なトレードに関する記事や本を読むだけでなく、セミナーにも頻繁に参加してトレード向上を常に心がけていた。この勉強熱心な態度は褒めるべきことだが、実は、これがスランプに陥った原因だった。

スランプに陥る前までは、彼は長期チャートに引いたサポートとレジスタンスライン使ったトレードをして悪くない成績をあげていた。しかしある週末、彼はダイバージェンスを利用したトレードセミナーに参加し、勢いよく喋る講師に完全に説得されてしまった。

彼は新方法でトレードを早速始めた。言うまでもないが、セミナーの翌日からトレードが大幅に向上することなどありえない。新しい方法を身につけるには長い時間がかかり、コンスタントに利益が上げられるようになるには忍耐強い練習が必要だ。

彼のように、隣の家の芝生が、とても綺麗に見えてしまうトレーダーは多い。


「もっと良いトレード方法がある筈だ!」、と色々な本や記事を読むことは悪いことではない。しかし重要なことは、新しい方法を求める前に、先ず一つの方法を完全に身につけることだ。そうしないと、次から次へとトレード方法を乗り換えることが癖になり、最終的には何も完全に習得することなくトレードを諦めることになる。

トレード業界には公然の事実がある。トレード方法の販売、トレード用ソフトの販売、トレード用アルゴリズムの販売は大きなビジネスになっている。業者は、一定のパターンにあてはまる方法を毎年、毎月開発して、伝説の動物ユニコーンを探し求めているトレーダーたちに販売する。

繰り返すが、トレードを向上させるために勉強に熱心になるのは悪いことではない。しかし、良い方法を求めて検索を続けていると、魅力的な言葉であなたを誘う業者の広告を見ることになる。業者と証券会社が組んで行うトレード・セミナーも多いから注意が必要だ。

厳しい言い方かもしれないが、「スランプ」という言葉は、一つの手法を熟知して身につけたトレーダーが口にするべき言葉だ。プロの世界、たとえば野球の世界を見てほしい。一流の打者は、こんなことは言わない。「今日は、この方法で打ってみよう。明日は、あのスイングを試してみよう。」

コメント