優位性のあるトレードについて

トレードで成功するために必要な条件の一つとして、多くの人たちが「優位性」をあげています。「現在のマーケット環境では、そのようなトレード方法に優位性は無い」、「最新のアルゴリズムを使っているだけに、そのトレード方法の優位性はかなり高い」、「あなたは心理面での優位性を欠く」などといった例で分かるように、優位性という言葉の持つ意味は一つだけではありません。

こういう実話があります。
シカゴの商品取引所のフロアでトレードをしていたM氏は、大胆なトレードで大きな利益を上げることで有名でした。40代でフロアから引退した氏は、自宅からオンライントレードを始めました。結果はひどい内容でした。損ばかりが重なり全く儲けることができないのです。
M氏が持っていた優位性は、フロアに実際にいたということでした。誰よりも先に大口取引などの重要な情報を入手することができただけでなく、マーケットの雰囲気を肌で感じることができましたから、自宅からトレードしている人たちよりタイムリーなトレードをすることができたのです。

ご存知のように、トレードの優位性を確立するために、ヘッジファンドは多額な金を投じて、強力なアルゴリズムの開発をしています。このようなプロを相手に、私たち個人は、どのようにしたら優位性のあるトレードをすることができるでしょうか?数年前のコラムで、ベテラン・トレーダーのデービッド・ブレア氏は「優位性」について、このようなことを述べています。
株の値動きは三つしかない。上昇、下降、横ばいだ。それぞれの局面に合ったトレードをすれば、優位性のあるトレードができる。
言い換えると、アップトレンドでは買い、ダウントレンドでは空売り、そして横ばいのマーケットではサポートで買ってレジスタンスで売るのが基本になります。言うのは容易ですが、そう簡単にトレンドを判断できないのが現状です。たとえば、下のダウ平均の日足チャートを見てください。


Aの矢印の方向に同意するなら、現在のダウはアップトレンドです。しかし、Bを見ている人たちは、「現在のダウに方向性は無い。横ばい状態だ」と言うことでしょう。更に、チャートに指標を入れると、こんな意見も出てきます。


「マーケットは高値圏で横ばいしているが、RSI(1)は既に下げが始まりダイバージェンスが起きている。マーケットは、そろそろダウントレンド入りとなることだろう。」

繰り返しになりますが、同じチャートを見ていても、トレンド判断はトレーダーによってまちまちです。

2年ほど前になりますが、1987年からトレードをしているビニー・ギャンビニ氏が行ったセミナーに行ったことがあります。ある参加者が、このような質問をしました。
トレンド方向と一致するトレードをすることが大切だ、ということは分かります。しかし、トレンドを適切に判断することは簡単なことではありません。どうやったら、トレンドを適切に判断することができるでしょうか?
ギャンビニ氏は、こう回答しました。
あなたは考え過ぎていませんか?チャートの分析に時間をかけ過ぎて分析麻痺になっていませんか?それでは動けません。トレンドを素早く判断する方法を教えましょう。一目均衡表を見てください。パッと見ただけでトレンドが直ぐに分かります。分析はそれだけで十分です。分析麻痺になってしまったのでは優位性のあるトレードはできません。
「今日のマーケットは強い。これは買うしかない」という軽率な判断とも取れるトレードが上手く行くのは、マーケットの動きに素直に従っているためです。ああでもないこうでもない、と考えに考えて得た結論というのは、思っているほど大したアイデアではないことが往々にあります。

ギャンビニ氏は、こんなことも語っています。「あなたが買ったということは、あなたとは反対に売った人がいたことを意味します。売った人には、どんな優位性があるかを考えてみてください。売りには優位性は無い、とはっきり言える時に買うべきです。」

優位性のあるトレード方法を身に付けてしまえば、それが永久に有効であるという保証はありません。現に、ヘッジファンドは常に新しいアルゴリズムを開発し、トレード業界での優位性を保つ努力をしています。

私たちは株の本、セミナーなどから新しい知識を得ることができますが、それらから本当に優位性のあるトレードを学ぶことはできません。セミナーを受講することで基本的な技術を習得することはできますが、優位性を作るのはあなた自身です。学んだトレード方法を基盤にして、それをあなたのスタイルに合うように改善することが重要です。



(情報源:4 Core Beliefs That Define My Trading “Edge”

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