ビヨンド・ミートを使った苦肉の策?

ビヨンド・ミートがナスダックに上場されたのは5月2日でした。
ビヨンド・ミートは米国の食品会社。菜食主義者向けに植物由来の人工肉の生産・販売を手掛ける。動物性肉の特性やたんぱく質などの栄養素を含む植物性のミートパティ、ソーセージ、粗びき肉などを開発。遺伝子組み換え作物、大豆、グルテンなどは不使用。主力商品にはハンバーガー用パティの「ビヨンド・バーガー」がある。(ヤフーファイナンス)
公募価格は25ドル、初値は46ドル、6月18日の取引では200ドルを瞬時突破、そして今日の終値は172ドル59セント、とにかく人気の銘柄です。下が日足チャートです。



次にこのチャートを見てください。


ブルーエプロンの日足チャートです。
ブルーエプロンはアメリカの食品配送サービス持株会社。子会社を通じて、料理に必要な食材キットを消費者に直接配送するサービスを提供する。家庭料理のレシピや新鮮な食材の提供に焦点を置き、食材の調達・処理・保存・包装に従事し、送料は無料。(ヤフーファイナンス)
午後1時過ぎ、株価の上昇率は巨大な78%に達しました。しかし、目立つ上ヒゲ(D)で分かるように、株価は失速して+35.51%で大引けとなりました。出来高は毎日27万株程度ですが、今日の量は2900万株を超え、正に特大な出来高です(C)。下降する50日(A)と200日移動平均線(B)で分かるように、ブルーエプロンのトレンドは明らかなダウントレンド、低迷中の銘柄です。

なぜ今日の取引で、ブルーエプロンは突然跳ね上がったのでしょうか?原因はビヨンド・ミートです。
ブルーエプロンは、ビヨンド・ミートが手掛ける代替肉の提供を8月に始めると発表。新規株式公開(IPO)以降、株価が90%余り下落していたブルーエプロンだが、この提携で新たな活路を見いだす可能性がある。(ブルームバーグ)
はたしてこの提携で、ブルーエプロンは経営状況を改善することができるのでしょうか?モルガン・スタンレーのアナリストは6月25日、同業者に市場を奪われ売上の低迷が続いていることを理由に、ブルーエプロンの目標株価を、ウォール街のアナリストでは最低の6ドルに引き下げました。


目標株価引き下げが発表された前日の終値は6ドル70セントでした(1)。6月27日には、目標株価から10セント離れた6ドル10セントで株価は下げ止まり反発となり、前日のローソク足を包む陽線が形成されました(2)。その後、株価は横ばいとなり、昨日の終値は7ドル66セントでした(3)。

「新規株式公開(IPO)以降、株価が90%余り下落していた」という報道で分かるように、ブルーエプロンの株価は悲惨な状態にあり、目標株価を引き下げたモルガン・スタンレーのアナリストは、「ファンダメンタルズの崩壊」という言葉を使ってブルーエプロンの経営状態を説明しています。現に、あまりにも株価が安くなりすぎていたため、6月17日にブルーエプロンは15株を1株にする株式併合を行って、ニューヨーク証券取引所の上場基準を満たしています。

人気企業ビヨンド・ミートと提携という言葉を聞いて興奮した買い手が殺到したこと、そして、空売っていた人たちの買い戻しが殺到して、今日の大幅上昇が起きたように思います。言い換えると、感情が今日の一番の買い材料です。

今日のブルーエプロンの株価上昇は、有名人にコマーシャルをしてもらって売上を上げようとしているのに似ています。ビヨンド・ミートは確かに有名になりましたが、アナリストが指摘しているように、人工肉産業に存在するのはビヨンドミートだけではありません。現に、6月12日には、JPモルガンのアナリストが、「競合他社がますます対抗姿勢を強めている」ことなどを理由にあげて、ビヨンド・ミートを「オーバーウェート」から「中立」に引き下げています。

更に、ビヨンド・ミートの取扱を始めたとしても、はたしてどの程度の人たちがブルーエプロンをわざわざ使って注文するかが疑問です。ひどい言い方をすれば、今日のビヨンド・ミートとの提携発表は、株価を一時的に押し上げるだけの苦肉の策に終わってしまう可能性があります。



(参照した記事:Morgan Stanley sees more downside on Blue Apron

ブルーエプロン株、上場来で最大の上昇-ビヨンド・ミートと提携で

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