25ベーシスポイントの利下げ:市場に方向性が出たことを喜ぶトレーダーたち

予想されていたように、米国政策金利は25ベーシスポイントの引き下げとなりました。問題となったのは、FOMC(連邦公開市場委員会)終了後に行われた記者会見で、パウエルFRB議長は今回の金利引き下げをこう表現しました。
サイクル半ばにおける調整 (midcycle adjustment )


投資家たちが聞きたかったのは、「金利引き下げの新サイクルに入った」ということであり、「サイクル半ばにおける調整」ではありません。
FRB議長の言葉は、「積極的な金利引き下げサイクルに入った」と解釈することはできない。--- ベン・ジェフリー(BMO)
ブルームバーグは、パウエル議長の記者会見の要点として、次の4つをあげています。

  • 今回の利下げの本質は、サイクル半ばでの金融政策の調整。
  • 長期にわたる利下げの開始ではない。
  • 一度だけの利下げだとは言っていない。
  • バランスシートの縮小は8月1日で終了する。
記者会見を見た人たちが感じたことは、パウエル議長は歯切れが悪く、議長は今回の記者会見には臨みたくなかったことが明白です。
FOMC終了後に発表された声明文は曖昧な内容だった。更に、記者会見でのパウエル議長の態度からは自信を感じることができなかった。「サイクル半ばにおける調整」という議長の言葉、そして二人のFOMCメンバーの反対意見もあったということだから、今回の利下げは長期的な利下げサイクル入りを意味しない。パウエル議長は何も明瞭にすることができなかった。今日の利下げで、マーケットを一時的に満足させる可能性があったが、値動きは逆を示している。もちろん、ホワイトハウスを満足させるのは無理であり、パウエル議長は連銀を厄介な状態に陥れてしまったようだ。--- ワード・マッカーシー(ジェフリーズ)
トレーダーたちは、パウエル議長の言葉のお陰で、マーケットに方向性が出たことを喜んでいます。下は、ダウ平均の日足チャートです。


見てのとおり、ダウは高値圏で横ばいが続いていましたが、FRB議長の記者会見の最中に、売りシグナルとなるレンジの下辺割れが起きました(1)。MACDには既にデッドクロス(2)が起きていましたから、レンジの下辺割れを期待していた人が多かったようです。今のところ、ダウ平均は上昇する50日指数平滑移動平均線(3)に支えられています。言い換えると、買い手たちは、この移動平均線を守ることができるかに注目です。

追記:7月が終了したので、ダウの月足チャートも見てみましょう。


今月のローソク足には、ほとんど実体がありません。上ひげが目立つので「弱い線だ」解釈される形です。しかし、ほぼ同時に近い形でもありますから、投資家たちの迷いを表していることも確かです。正に、今日の記者会見でのパウエル氏と同様な自信の無いローソク足が形成されました。




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