タンカー攻撃、しかし出来上がったローソク足はNR10


こんなヘッドラインを見たら、マーケットは大荒れとなったことだろう、と誰もが思うことでしょう。しかし、S&P500指数に出来上がったのは、極めて値幅の狭いローソク足です。


昨日も狭い値幅でしたが、今日のローソク足は更に短くなり、過去10日間で最も値幅が狭いNR10(Narrow Range 10)が形成されました。NR10はNR7(過去7日間で最も値幅が狭い日)ほど有名ではありませんが、狭い値幅の翌日は大きな動きとなる傾向があるため、両方ともトレーダーに注目されるパターンです。(NR7とNR10については、6月23日のブログを参照ください。)

「タンカー攻撃」の報道を受け、原油のETFが上昇しましたが、出来上がったのは陰線です。下のチャートは、ブレント原油のETFです。


今回も下降する10日指数平滑移動平均線(1)を越えることができませんでした。終値で比べると、今日は確かに2.64%の上昇ですが、寄付き早々に買った人たちは損が出ている状態です。言い換えると、出来高(2)は膨大でしたが、買い手には10日指数平滑移動平均線を突破するだけの力はありませんでした。
中国との貿易戦争は原油価格に悪影響だ、と原油トレーダーたちは即座に判断することができた。しかし今回のイラン情勢を、どう判断すべきかにトレーダーたちは迷っている。タンカー攻撃は単なる雑音なのだろうか、それとも本物の戦争が始まるサインなのかがトレーダーには分からない。-- ヘリマ・クロフト(RBC)
迷っているのは原油トレーダーだけではありません。S&P500指数に現れたNR10で分かるように、株の投資家たちも、どう動くべきかに悩んでいます。現在分かっていることは、狭い値幅の後には大きな値動きが訪れる傾向があるということです。もしイランが米軍によって攻撃されるなら、言うまでもなく原油は急騰となり、株式市場は大きな下げとなることでしょう。

株式市場の上昇が継続するためには、少なくとも3つの条件が整う必要があります。

  • イランとの問題は外交で上手く解決すること。
  • 「順調に進んでいる」という大統領からのツイートだけではなく、米中の貿易交渉が、合意に近いことを具体的に示すニュースが発表されること。
  • 投資家が期待する金利引き下げが、年内に少なくとも2度実施されること。
S&P500指数は、あと2%上昇すると史上最高値となります。現在のマーケットは、高値圏で推移しているのですが、投資心理は暗い状態です。

上の恐怖&欲 指数(CNNから)で分かるように、現在の数値は39ですから、投資家たちは恐怖を感じ、株を積極的に買えるような心理状態ではありません。マーケットの天井、マーケットの高値圏では皆が有頂天になるものですが、今日のマーケットには有頂天な投資家たちの姿は見えません。

こんな状況で好調なものが3つあります。


上から金のETF、米国債のETF、そしてビットコインの投資信託の日足チャートです。今日のローソク足は3つ揃って陽線ですから、米軍のイラン攻撃を懸念する資金が、これら3つに避難したことが考えられます。



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