迷ってしまった投資家たち:米大手建築業者が収益見通し下方修正

火曜の米国株式市場で、特に下げが目立ったのは住宅建築株指数です。下が日足チャートです。


50日移動平均線(2)を決定的に割り、巨大な陰線(1)が形成されました。予想を下回る5月の新築住宅販売件数が売り材料となった、と見られていますが、下のチャートを見てください。(3は200日移動平均線)


住宅建築株指数の5分足チャートです。1で分かるように、指数は窓を開けて強めの寄付きとなりました。2が午前10時、予想以下の新築住宅販売件数が発表された時間です。このニュースで指数は下げましたが、下げに勢いがついたのは11時20分頃からです。言い換えると、急落の直接的な原因となったのは新築住宅販売件数ではありません。

下は、住宅建築株全体を急落させる原因となった、大手住宅建築業者レナーの5分足チャートです。


予想を超える決算を発表し、レナーは3.6%の上昇、窓を開けての好調なスタートを切りました(1)。2が新築住宅販売件数の発表された時間になり、3が急落が始まった11時20分です。いったい何が起きたのでしょうか?

繰り返しになりますが、10時に発表された、予想を下回る新築住宅販売件数が悪材料の一つとなったのは確かです。アナリストは1.9%増を予想していましたが、結果はマイナス7.8%というひどい数字でした。




上のチャートで分かるように、特に悪かったのは、35.9%の大幅下落となった米西武地区での販売件数です。

住宅建築株指数が急落となった11時20分、好決算を発表したレナーは電話会議を行っていました。投資家たちを動揺させたのは、11時過ぎに起きた、レナーの最高財務責任者による第3四半期のガイダンス引き下げ発表です。予想されていた一株利益は$1.50から$1.25 - $1.35に引き下げられ、新規注文件数は14,020件から13,000 - 13,250件に下方修正、そして平均販売価格は$402,430から$385,000 - $390,000に引き下げられました。

国債の利回り低下を受けて、住宅ローンの金利も低下し、予想される金利引き下げも住宅市場に好材料だ、と多くの投資家が見ていましたから、ガイダンスの下方修正に投資家たちは慌てました。住宅建築株急落の後には「次回のFOMCで50ベーシスポイントの金利引き下げを行うのは行き過ぎ」というセントルイス連銀総裁のコメントもあり、投資家たちを更にガッカリさせました。

先週になりますが、ウェドブッシュ社のアナリストが住宅建築株に対する強気な意見を発表しました。
強い住宅需要、下がる長期金利、それに経済成長率を考えると住宅建築株は買いだ。投資家たちは、高めの株価収益率を気にしないで住宅建築株を買うことだろう。
大手業者からのガイダンス引き下げで、強気論者たちは不安になったことでしょう。米国住宅市場の本格的な冷え込みが、いよいよ始まりそうな様相です。



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