指標的な存在、サザビーズがマーケットから消える

  • 米オークション大手サザビーズ、フランスの富豪が買収: 米美術品競売大手サザビーズは17日、フランスの通信大手アルティスの創業者パトリック・ドライ氏(55)が約37億ドル(約4000億円)で同社を買収することで合意したと発表した。ドライ氏が全額出資するファンドが市場に流通する全株を取得し、株式を非公開化する。(日本経済新聞
  • サザビーズ、37億ドルで身売り:競売会社の米サザビーズは通信業界の有力者、パトリック・ドライ氏(55)に37億ドル(約4018億円)で身売りする。サザビーズの株価は過去1年間で40%下落した。サザビーズの17日発表によると、買収合意に基づきサザビーズの株主は普通株1株につき現金57ドルを受け取る。これはサザビーズの14日の株価終値を61%上回る水準だ。(ブルームバーグ
サザビーズの日足チャートを見てみましょう。


大きな窓を開けて月曜の取引をスタートし、終値は56ドル13セント、58%の大幅上昇です(A)。下降する200日移動平均線(B)で分かるように、トレンドは先週末まで明らかなダウントレンドでした。安値から少し戻した後、ここ数日間は横ばいとなっていましたから(C)、空売りの株数を増やした人もいたことでしょう。こんな状況で買収ニュースが発表され、株価は50%を超える暴騰ですから、空売っていた人たちには正に悪夢です。

サザビーズで競売されるものは高価な美術品や宝石などです。例をあげれば、ピカソ作の「ドラ・マールと猫」は9500万ドルで落札、ムンクの「叫び」は1億1992万ドルで落札、「ジョセフィンのブルームーン(ダイヤモンド)」は4863万4000スイスフランで落札されました。サザビーズの競売に出席するのは裕福な人たちですから、サザビーズの株価は富裕層に属する人々の投機熱を示すと解釈され、株式市場のムードを表す一指標でもあると解釈されていました。


Aはサザビーズが高値を更新した1999年4月、マーケットはインターネット株バブルの真っ最中でした。8ヶ月後の2000年1月、ダウ平均は11750の高値を記録、そしてバブルは弾けて2002年10月には7197まで下げていました。

Bは2007年10月に記録したサザビーズの新高値です。同月にダウ平均も新高値(14198)を記録しましたが、2008年9月にリーマン・ブラザーズが破綻し、2009年3月にはダウ平均は6469という2007年10月のレベルから54%も下げていました。

下は、最近2年間の様子です。


2018年6月に高値をつけた後、サザビーズの下げが始まりました。これを見た投資家たちは、いよいよ本格的なマーケットの下げが始まると結論しました。2018年10月からクリスマスの前日までに、ダウ平均は約20%の厳しい下げとなりましたが、クリスマスの翌日から反発ラリーが始まり、下げのほとんどを取り戻してしまいました。

サザビーズの株価はダウ平均のように反発ラリーを展開することはなく、この一年間で、40%を超える大幅下落となりました。そして今日、買収のニュースが流れ、株価は一気に去年の夏のレベルまで回復しました。もちろん、今回の場合は買収ですから、投機熱による上昇ではありません。

こんなツイートが出ています。
サザビーズが買収され、サザビーズ株は非公開化されることになった。これで、過去数十年間にわたって、マーケットの投機熱、マーケットの周期を計る良い指標だった株が消えてしまう。
こんな冗談を言うトレーダーもいます。
今日の取引で50%を超える大幅上昇となったサザビーズだが、高値を更新することはできなかった。これは、サザビーズの最後の予言だ。ダウ平均は大きく回復したが、新高値を記録することはできない。下げが再び始まる。
それにしても、今日のサザビーズの上げは強烈でした。繰り返しになりますが、正に売り手にとって最悪のシナリオの実現です。

コメント