予想以上に悪かった米雇用統計、投資心理は中立状態

マーケット開始前に発表された米雇用統計(2月分)で、何と言っても目立ったのは、この数字です。
非農業部門雇用者数:
結果:+2.0万人
予想:+18.0万人
たったの2万人増という予想を大きく外す結果となり、「トランプ経済の成長は止まった。景気の後退がいよいよ始まる」という見方が高まりました。 下は、ダウ平均の日足チャートです。



冴えない雇用統計を受けて、ダウは弱いスタートを切りました。マーケット開始から9分後、下げ幅は220ポイントに達し、市場のムードは極めて暗い状態でした。しかし、そこが安値となってダウは反発を開始し、最終的には22.99ポイント(0.09%)の下げ、ほぼプラスマイナスゼロで大引けとなりました。

予想を大きく下回る雇用統計であったにもかかわらず、マーケットはなぜ反発したのでしょうか?テクニカル的に見た場合、株式市場は短期的に売られ過ぎな状態になっていました。


上のチャートは4週高値・4週安値レシオです。数日以上にわたるマーケットの下げで、レシオは10を割ってしまいました(矢印)。今日の寄付き直後には1.56という極めて低い数字、言い換えると、1.56対98.44で4週安値更新銘柄数が圧倒的に優勢という事態が発生しました。10未満の数値は短期的に売られ過ぎ、と一般的に解釈されていますから、空売りの一部を買い戻して利益を確定する動きが起きても全く不思議ではありません。

アナリストたちの意見も反発ラリーを助ける結果となりました。
  •  2月の非農業部門雇用者数の伸びは、2017年9月以来最低だった。表面的には、確かに悪い数字だが、1月の雇用者数は+31万人という予想を大きく超える結果であったことを忘れてはいけない。今回の+2万人という数字だけを見るのではなく、1月と2月は平均で16万5500人増えたと解釈するべきだ。-- トマス・シモンズ(ジェフリーズ)
  •  1月の雇用者数は極めて大きな成長だった。それが2月の数字を大きく下げる原因となったのだろう。パニックするのはまだ早い。-- ディーン・ベーカー(アメリカ経済政策研究センター)
来週のマーケットはどんな動きになるでしょうか?投資家たちの心理状態を見てみましょう。 下は、恐怖&欲指数です。(データ:CNN)

現在の数値は55、中立を示す数字です。恐怖を示す数値なら、投資家たちは株を避けています。欲を示す数字なら、投資家たちは株の買いに意欲的ということが分かります。しかし現在は中立ですから、投資家たちは、どうしたらよいか分からないという状態です。

何が投資心理を動かすことになるでしょうか?経済カレンダーを見てみると、来週は重要な発表が多数あります。
  •  11日(月):1月小売売上高
  • 12日(火):2月消費者物価指数
  • 13日(水):2月卸売物価指数、1月耐久財受注
  • 14日(木):1月新築住宅販売件数
  • 15日(金):2月鉱工業生産
更に、火曜に予定されているパウエルFRB議長の発言、そして米中の貿易交渉の進展にも注目です。上記したように、テクニカル的にはマーケットは短期的に売られ過ぎな状態ですから、金曜に起きた反発がもう2、3日継続する可能性があります。



(情報源:‘Don’t hit panic’ — economists find the jobs report wasn’t as bad as 20,000 headline suggests 

CNN恐怖&欲指数

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