予想トレーダー、先読みトレーダー(Anticipation Trader)の話

多くの人たちが指摘していることから見てみましょう。下は、S&P500指数の日足チャートです。


直ぐ上にはレジスタンスゾーンが控えています。たとえそこを突破したとしても、その上にはレジスタンスになる可能性がある50日、100日、150日、そして200日移動平均線が待ち構えています。このように考えると、「現時点で買うことは間違っている」という結論に達するだけでなく、既に空売っている人も少なくないことでしょう。

サポートレベルで買い、レジスタンスレベルで売るという考え方に間違いはありませんが、ブライアン・シャノン氏 (アルファトレンズ)は、こんなことを語っています。
株価がレジスタンスラインに挑戦している時は、そこが本当にレジスタンスになるかは分からない。株価がレジスタンスラインの突破に失敗し、実際に下落が始まった時、レジスタンスラインがレジスタンスであったことが証明される。
サポートラインについても同様なことが言えます。株価がサポートラインに接触しただけでは、そこが本当にサポートになるかは分かりません。実際に株価が反発し上昇が始まったとき、サポートラインがサポートであったことが確認されます。

もう一つの最近の実例として、シャノン氏はバイオテクノロジー株のETFをあげています。


先ずA(1月3日)を見てください。ETF価格はレジスタンスゾーンの直ぐ下で失速となり、冴えない陰線を形成しました。もちろん、こんな弱い引け方ですから、大引け間際に空売った人が多かったことでしょう。問題になるのは、その翌日(B)にどう反応したかです。力強い陽線が形成されました。しかし、レジスタンスゾーンと50日移動平均線を越えることはできませんでした。「ここを突破するのは無理だ。現在起きているのは、下降基調における一時的なラリーだ」と結論した人は空売ったことでしょう。Cで分かるように、その考え方は間違っていたことが証明されました。

次に、現在の様子(D)を見てください。値動きを確かめることなく、既に空売っている人たちの理由を考えてみましょう。
  • ETF価格は、12月の安値から22%も上昇している。そろそろ利食われる筈だ。
  • ほぼ重なる100日、150日、そして200日移動平均線を突破するのは困難だ。トリプル・レジスタンスになっているのだから、ここを簡単に突破するとは思えない。
先を読んで、現時点で空売りすることは間違いではありません。もしこの見方が正しければ、既に空売っている人たちは、実際の値動きを見てから空売る人より大きな利益を得ることができます。

既に金曜に空売り出動した人たちは、こんな計画をしていることでしょう。
  • このへんが壁になりそうだから、少ない株数で空売り。
  • 上に走る移動平均線を越える場合は直ぐに損切り。
  • 思惑通りの展開になった場合は再度空売りを行い、50日移動平均線(赤)付近で利食う。
値動きを確認してから出動することの欠点は、売買タイミングが皆と同じになってしまうことです。上放れ、下放れは誰の目にも明らかな出来事ですから、買い手、売り手が一斉に集まります。モタモタしていると、とんでもないところで買ってしまうことになります。もちろん、「ブレイクアウトで買わないで押し目を待つべきだ」という意見もありますが、ご存知のように、強い勢いがある株は押し目買いの機会をなかなか与えてくれません。

間違ったら直ぐに損切りさえすれば、先を読んで、値動きがおとなしいときに売買出動することは悪いことではありません。現に、このようなトレーダーは「Anticipation Trader 予想トレーダー、先読みトレーダー」と呼ばれ、Anticipation Traderが集まるチャットルームも存在します。

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