異常な安全への逃避が起きている米国株式市場

この記録的な資金の流出は、ただごとではない。しかし見方を変えれば、投資家たちの完全な降伏を示している可能性もある。-- トム・ロシーン(リッパー)
リッパー社によると、12月5日から12月12日の間に460億ドルが米株のファンドから流出しました。これは史上最高の週間流出額です。更にリッパー社によると、この資金流出で恩恵を最も受けたのはマネー・マーケット・ファンドです。同期間、812億ドルがマネー・マーケット・ファンドに流入しています。

同様なことが今年の2月にも起きています。

米拠点株式ファンド、週間流出額が過去最大の239億ドル=リッパー
[ニューヨーク 8日 ロイター] - トムソン・ロイター傘下の投信情報会社リッパーが8日公表したデータによると、7日までの1週間に、株式に投資する米国拠点のファンドから239億ドルの資金が流出し、流出額は過去最大となった。(略)リッパーのシニア調査アナリスト、パット・キオン氏は「安全への逃避が起きている。株式から資金が去り、多くはマネーマーケットに向かっている」と指摘した。マネー・マーケット・ファンド(MMF)には7日までの1週間で308億ドルの資金が流入した。(略)
数字を比較すると、「ただごとではない」というロシーン氏の表現が大袈裟でないことが分かります。今回、米株ファンドから逃げた資金額は460億ドルですから2月の額の約2倍です。マネー・マーケット・ファンドへ今回流れ込んだ金額も2月を大幅に上回っていますから、「異常な安全への逃避が起きている」と言うことができます。

下は、S&P500指数の日足チャートです。


矢印で示したところが2月です。位置的に見た場合、今回と2月の決定的な違いはこれです。
2月の場合は200日移動平均線より上だった。今回は200日移動平均線より下で史上最高の資金が流出した。
200日移動平均線は多くの人たちに注目され、「株価が200日移動平均線より上ならブルマーケット、200日移動平均線より下ならベアマーケット」と一般的に解釈されています。

今回の場合、重要な200日移動平均線より下で巨大な資金が米株ファンドから逃げ、上記したようにロシーン氏は、「これは投資家たちの完全な降伏を示している」と述べています。「野も山もみな一面に弱気なら、阿呆になりて米を買うべし」という相場の格言に従って行動するのなら、「現在のマーケットは買いである」と言うことができます。しかし、200日移動平均線より上だった2月の場合なら、「まだブルマーケットだ」という希望的な結論に達することができましたが、今回はベアマーケットですから、ここで買ってやろうと決心するのは難しい状況です。

無理して、ここで株を買う必要はありません。相場環境が良くなるまで、しばらく様子を見るのも大切なことです。


上は、S&P500指数の週足チャートです。買い手にとって辛い状況であることが、二つの指標に表れています。
1、RSI(相対力指数)は50より下で推移している。
2、MACDラインはゼロラインより下にある。
繰り返しになりますが、ここで無理して買い出動する必要はありません。RSIとMACDの回復を確認してからでも買いは遅くありません。

(情報源:Investors flee U.S. stock funds at record pace: Lipper

ロイター

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