S&P500指数はトレンドラインをまだ割っていない??:チャートの目盛りの話

いよいよ今年のマーケットも、あと2ヶ月を残すのみとなりました。下のラインチャート(月足)は、GAINS, PAINS & CAPITALというサイトに掲載されていたものです。(数字は私が記入しました。)


S&P500指数が表示されています。先ず2で分かるように、S&P500指数は、大底となった2009年から引いた長期アップトレンドラインを割っています。更に、RSI(相対力指数、1)は一足先に下降が始まり、警報シグナルであるダイバージェンスが起きていました。3は人気指標のMACDです。MACDライン(黒)はシグナルライン(赤)に接触し、デッドクロスが起きそうな状態です。

私も、同じチャートを早速作ってみました。(チャートはTradingViewです。無料で使うことができます。)


大底となった2009年からトレンドラインを引きましたが、見てのとおり、GAINS, PAINS & CAPITALのチャートのようなトレンドライン割れは起きていません。何か間違っているのでしょうか?もう一度、チャートをよく見比べた結果、あることに気がつきました。私のチャートの目盛りは通常のものを使っていますが、GAINS, PAINS & CAPITALのチャートの目盛りはログスケール(対数チャート)でした。

  • ログスケール(対数チャート)とは?:通常のチャートでは価格を縦軸として表示しています。基本的にはこれで問題は無いのですが、チャートの価格変動が大きい場合、この方法ではあまり上手く表現できない事があります。例えばある銘柄で100円から200円の上昇と1000円から1500円への上昇では、値幅の大きい後者の方が大きい上昇に見える事があります。実際値幅は前者が100円であり、後者が500円です。しかし変動率で比べた場合、前者は2倍、後者は1.5倍で逆になります。この変動率で表示する方法がログスケール(対数チャート)です。基本的に、非常に広い範囲をカバーするデータを表示する場合は、対数目盛り表示を使用するのが適切です。(TradingViewから抜粋)

では、チャートをログスケールに変えてみましょう。


今度はうまく行きました。S&P500指数はトレンドラインを割り、下放れが確かに起きています。TradingViewが指摘しているように、通常のチャートの目盛り(スケール)の幅は一定の幅に固定されていますから、100円の株が200円になった場合と、900円の株が1000円になった場合の値動きは両方とも100円であり、株価の変動率は考慮されていません。

極端かもしれませんが、ビットコインが好例です。先ず、通常のスケールで見てみましょう。(週足チャート)


1、2、3で分かるように、目盛りは2000ドルおきに同間隔に設定されています。それでは、変動率が考慮され、数値の桁に応じた間隔が使用されているログスケールでビットコインを見てみましょう。


まるで全く違う物を見ているような感じがします。通常の目盛りで見ると正に暴落ですが、ログスケールで見ると、そんなに下げたという感じがしません。

当然の疑問は、私たちは、どちらのチャートを使用するべきでしょうか?答えは、これを見ると明らかに分かります。下はアップルの週足チャートです。通常の目盛りが使用されています。


下はログスケールです。


両方とも同じに見えます。ということで、ビットコインのように乱高下するもの、または2009年から現在までといった長期間の様子を見る場合はログスケールも使用することをお勧めします。

(情報源:Two Charts Every Long-Term Investor Needs to See Right Now

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