金相場:注目の6ヶ月が始まる

ウォール街には、5月に株を売って相場から離れることを勧める「Sell in May and go away」という言葉があります。そして、金市場にも似た言葉があります。
Sell in March and Go Away (3月に金を売って、金相場から離れなさい。)
下のチャートを見てください。(データ:HulbertRatings.com)


左側(A)は、3月から8月までの6ヶ月間の金の上昇率を年率に換算したもの、そして右側(B)は、9月から2月までの6ヶ月間の成績を年率換算したものです。
A(3月ー8月):3.2%
B(9月ー2月):15.1%
下は、月別に見た場合の金の成績です。(データ:HulbertRatings.com)

年間を通して、金が最も好調なのは9月(1)、平均リターンは2.1%です。赤い線(2)は9月以外の月の平均リターン(+0.6%)を示します。

歴史的に金が強い6ヶ月間が来月から始まりますが、長い低迷が続いたお陰で、金に対する投資心理は大きく冷え込んでいます。


1991年1月2日から今月24日までの金価格と投資センチメントの動きです(チャート:SENTIMENTRADER)。矢印で示した部分で分かるように、センチメント値は極めて低いレベルに落ち込み、投資家たちは金に対して超悲観的です。
野も山もみな一面に弱気なら、阿呆になりて米を買うべし
センチメントだけで判断するなら、金は明らかな買いです。しかし、先日のブログに書いたことですが、投資家たちは、経済や地政学的リスクに慣れてしまい、資金の避難場所として金や銀に魅力を感じなくなってしまいました。

冴えない状態が続いているから当たり前のことですが、最近聞こえてくるのは金に対する批判ばかりです。

  • 「万が一のために」ということを理由に、人々は金に投資をしてきた。2008年の金融危機を思い出してほしい。株が下げるのは分かるが、金もつられて下げてしまった。これでは万が一の投資になっていない。
  • 株には配当金、債券には利子の支払いがある。金には利子も配当も無い。
  • 「膨大な赤字を抱える米国の国債が破綻するのは時間の問題だ。最悪の事態に備えて金に投資せよ」、という意見がある。言うまでもなく、米国債市場が破綻したら、世界の経済システムは大混乱になる。そんな状況で、金がはたしてどれほど役に立つかが疑問だ。
とにかく、金に対する投資心理は極めて大きく冷え込んでいます。来月から季節的に金が好調な6ヶ月が始まります。もし向こう6ヶ月、投資家の期待を裏切って金の低迷が継続するなら、金は完全に忘れられた存在になってしまうことでしょう。

コメント

アオ健 さんの投稿…
今から20年ほど前も9月以降は金が強含むと言われてました。
理由は単純で、クリスマスの宝飾需要に備えて加工業者が買うためだと言われてました。
もちろん、それに異を唱えるアナリストもいましたが、現在でもそのアノマリーが生きているとはびっくりですね。
T.Kamada さんの投稿…
アオ健さん

こんにちは。
季節的にインドでの需要が増える、という話も聞いたことがあります。今年は、どんな動きになるでしょうね。