金はペット・ロックのようにただ座っているだけだ!?

今日もトルコ危機が大きく報道されています。
  • トルコ危機は国際金融危機に発展するのか(東洋経済)
  • トルコ危機で新興国通貨への売り膨らむ ユーロも軟調=NY市場(ロイター)
  • 米、トルコ情勢を非常に注意深く監視=CEA委員長(ロイター)
  • トルコ通貨危機 身構える日本企業 (日本経済新聞)
  • トルコ、民間債務に懸念(日本経済新聞)
こんな状況ですから、多くの人たちが、避難場所を求める資金が金へ向かうだろうと予想しましたが、金は期待を裏切って52週安値で月曜の取引を終えました。嫌気が差した投資家は、こんなことを言っています。
金は単なるペット・ロックだ。

ウォール・ストリート・ジャーナルのコラムニストとして知られるジェイソン・ツバイク氏は、2015年7月に、こんなことを書いています。
一大事が起きた時、金は資金の良い避難場所であると言われている。しかし、ギリシャ破綻、ユーロ急落、そして中国株大幅下落という状況にもかかわらず、金はペット・ロックのようにただ座っているだけだ。
今週、金価格は1150ドルを割り、2011年8月に記録した高値から39%も下げている。モーニングスター社の推定によれば、2014年6月以来30億ドルの資金が金から逃げ、この1年間で金のファンドは20%の資金を失っている。「投資家たちは金にガッカリしています」、とバークレイズのスキ・クーパー氏は語っている。
正に、今日も似た状況、投資家たちは金に幻滅しています。

下は、金のETFの月足チャートです。


下辺の切り上がる三角形が形成されていたので、多くの投資家は、上辺突破のブレイクアウトは間違いないと思っていました。しかし、6月に起きたことは、それとは反対の下放れでした。

ベテラン・トレーダーのピーター・ブラント氏は、こんなツイートをしています。




上は、金の日足チャートです。(赤い矢印と下線は私が入れました。)先ず、矢印で分かるように、金はウェッジの下辺を割ってブレイクダウンが起きています。ブラント氏は、2つのことを指摘しています。
  • full-fledged liquidation mode:本格的な売りが始まった可能性がある。
  • commercials may be forced to capitulate:コマーシャルズは降伏させられる可能性がある。(コマーシャルズ:現物業者、当業者、ヘッジャー)
上の日足チャートには、大口投機筋(赤)とコマーシャルズ(緑)の金のネットポジションが示されています。(ネットポジション:未決済となっているポジションの実質的な数を示したもの。例えば、買い建玉が3万あり、売り建玉が1万の場合のネットポジションは2万の買い持ちになる。)

矢印の方向で分かるように、コマーシャルズは大口投機筋とは反対に、この下げ相場で金を積極的に買って空売りポジションを大幅に減らしています。コマーシャルズには「賢い資金」という別名もあり、過去を振り返ると、コマーシャルズがこのように空売りを減らした後には金が上昇する傾向がありますから、今回も多くの投資家が金の上昇は近いと判断していました。

しかし、今日起きたことは金の明確なブレイクダウンです。ブラント氏が指摘しているように、賢い資金である筈のコマーシャルズが間違っている可能性があります。言い換えると、多くの投資家は、「コマーシャルズの積極的な空売りの手仕舞い=金の大幅上昇が近い」と都合の良い解釈をしてしまった可能性があります。

もちろん、筋金入りの金の投資家は、今日の下げを何とも思っていません。
ヨーロッパ、米国、日本、世界の国々は膨大な赤字を抱えている。こんな状態は永久には続かない。近い将来、主要国の通貨の価値は大幅に下落するだろう。そんな時に備えて、私たちは金に投資をしているのだ。


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