ベテラン・トレーダー:私がトレードするのは、30ヤードラインから30ヤードラインの間だ

アメリカン・フットボールのフィールドです。


ベテラン・トレーダーのピーター・ブラント氏は、こんなことを述べています。

私がトレードするのは、30ヤードラインから30ヤードラインの間だ。

「頭と尻尾はくれてやれ」という相場の格言を思い出しましたが、ブラント氏はフィールド・ゴールが近いところではトレードを何故しないのでしょうか?
底や天井付近では、値動きが不規則になり、予測が難しいマーケット展開となる傾向がある。このような危険ゾーンでは、他のトレーダーたちに戦ってもらうことにしている。(注:「底」、「天井」というのは短期的、中期的、長期的な全ての底と天井を意味します。)
ブラント氏は、どんなものをトレードしているのでしょうか?氏のニュースレターを購読していないので具体的なことは分かりませんが、氏のツイートからヒントを得ることができます。

砂糖のチャートです。三角形が形成され、最終的には下辺を割ってブレイクダウンとなりました。砂糖の価格が三角形内で動いている時は(1)、ハッキリとした方向性が無いですから、ブラント氏の言葉を借りると「危険ゾーン」になります。もちろん、下放れを期待しての空売り、または上放れを見込んでの買いを行うことができますが、ブラント氏は期待に基づいたトレードはしません。ハッキリとした売りシグナルが現れたのは、ブレイクダウンが起きた2です。3で分かるように、コマーシャルズは大きな空売りポジションを持っています。

「トランプ大統領は間違っている。中国との貿易戦争は米国経済を弱らせ、株式市場を大幅下落させる」という見方が報道され、多くの投資家たちが弱気になっています。しかし2日前、ブラント氏は、こんなツイートをしています。

ニューヨーク証券取引所の騰落ラインは新高値を記録した。私見だが、現行の幅広い上昇は強気を支持している。(騰落ライン:ニューヨーク証券取引所に上場されている銘柄のうち、その日に上昇した銘柄と下落した銘柄の差を累積したもの。)
「チャートを頼りにトレードをしている」と言う人が多いですが、実際にその言葉どおりにトレードをしている人は少ないのではないでしょうか?なぜなら、彼らの言葉には条件がいつも付くからです。
私はチャートに従ってトレードをしている。しかし、現在の政治的な情勢を考えると、ここで買うのは間違っている。
繰り返しになりますが、「チャートだけを頼りにしたトレード」は、そう簡単に実行できるものではありません。

下は、6月28日、金に関するツイートです。


Sは肩(Shoulder)、Hは頭(Shoulder)を意味します。一見すると、ブラント氏は「金には逆三尊の強気なパターンが形成されている」と言っているようですが、ツイートは下げを示唆する内容です。
まだ起きていない。それは起きないかもしれない。しかし、もし金価格が1238ドルを決定的に割るなら、2015年の安値1045ドルを再テストする可能性がある。
「そうなる可能性があるから、ここで空売りを勧める」とはツイートしていません。このツイートがされた時点では、金価格は「危険ゾーン」内にあり、出動シグナルとなるハッキリとした下放れはまだ起きていません。

「下放れ、上放れが起きた後で出動するのは面白くない。それが起きる前に出動したい」と言うトレーダーが多数いることも事実です。そのようなトレーダーたちは「予期トレーダー(anticipation trader)」と呼ばれ、私も何度か予期トレーダーたちが集まるセミナーに出席したことがあります。予期トレーダーたちに共通した考え方はこれです。
ブレイクアウトは誰の目にも明らかであり、ブレイクアウトでは多数の買い手が殺到し、ボヤボヤしているとひどい高値つかみになってしまう。予期トレードには、そのような心配は無い。ブレイクアウトする前に買うのだから、値動きがおとなしい時に買うことができる。
言うまでもなく、予期トレードの欠点は予想どおりの値動きが起きないことが多々あることです。予期トレードを百発百中させる方法をご存知でしたら教えてください。

(情報源:ブラント氏のツイッター

コメント