金融危機から何も学ばなかった大手銀行

無謀な取引で、自らを危機に陥れた銀行は、過去の間違いから何も学ぶことができなかったようだ。今日、米国の大手25銀行が抱えるデリバティブ・ポジションは222兆ドルに及び、これは米国GDPの12倍に相当する。-- マイケル・スナイダー(The Economic Collapse)
このような状態なのですが、こんなニュースが今日報道されました。
The Fed just proposed a plan to make life easier for banks by loosening the 'Volcker Rule'
銀行を自由にするために、米連邦準備制度理事会は、ボルカー・ルールを緩和する計画案を発表しました。

ボルカー・ルール:2010年夏に成立した米国の金融規制改革法(ドッド・フランク法)の中核となる「銀行の市場取引規制ルール」のこと。2015年7月21日より全面適用されている。具体的には、米国の銀行によるデリバティブや商品先物の取引を規制し、未公開株ファンドやヘッジファンドなどへの出資も制限する。2008年の金融・経済危機を引き起こした要因が米大手銀行の放漫経営にあり、金融機関の破綻や公的資金投入による救済が続出したことから、「預金者のお金を高リスク取引に二度と回させない」との理念に基づいて導入された。(野村證券 証券用語解説集から抜粋)
大手銀行が膨大なデリバティブ・ポジションを抱える今日、ボルカー・ルールを緩和する必要などあるのでしょうか?発表された緩和計画案によると、銀行は内部管理を徹底させることで、トレードの具体的な証拠を提供する必要が無くなります。更に、各銀行が顧客のニーズに合わせた取引をすることが可能になるため、全銀行に共通した厳しい規制が無くなります。

「マーケットの流動性を高めることになるのだから、ボルカー・ルールを緩和することは正しい措置だ」という意見が出ています。しかし、投資家たちは、このような数字を見ると、ルールの緩和は間違っていると思うことでしょう。

  シティグループ
  総資産:$1,792,077,000,000
  デリバティブ・ポジション:$47,092,584,000,000

  JPモルガン・チェース
  総資産:$2,490,972,000,000
  デリバティブ・ポジション:$46,992,293,000,000

  ゴールドマン・サックス
  総資産:$860,185,000,000
  デリバティブ・ポジション:$41,227,878,000,000

  バンク・オブ・アメリカ
  総資産:$2,189,266,000,000
  デリバティブ・ポジション:$33,132,582,000,000

  モルガン・スタンレー
  総資産:$814,949,000,000
  デリバティブ・ポジション:$28,569,553,000,000

  ウェルズ・ファーゴ
  総資産:$1,930,115,000,000
  デリバティブ・ポジション:$7,098,952,000,000

見てのとおり、大手銀行は、総資産を大幅に上回るデリバティブを保有しています。正に、スナイダー氏が言うように、主要銀行は金融危機から何も学ばなかったようです。

2003年、ウォーレン・バフェット氏は、こんなことを述べています。
デリバティブは金融大量破壊兵器だ。




(参照した記事:Financial Weapons Of Mass Destruction: Top 25 US Banks Have 222 Trillion Dollars Derivatives Exposure

The Fed just proposed a plan to make life easier for banks by loosening the 'Volcker Rule'

Big Banks to Get Reprieve from Volcker Rule

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