2月の急落は多くの個人投資家をマーケットから撤退させる結果となった??

下のダウ平均の日足チャートで分かるように、株式市場は、2月に急落を経験しました。


1月29日、26439で終了したダウは2月9日に23360の安値を記録し、10%を超える大きな下げとなりました。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、このような興味深いことを報道しています。
タブ・グループ(コンサルティング会社)の調査によると、米国株式市場を全体的に見た場合、最も活発だったのはオプション市場だ。第1四半期(1月ー3月)に取引されたオプションのコントラクト数(枚数)はほぼ14億に達し、これは前年度同時期を33%上回っただけでなく史上最高の出来高だ。
オプションを簡単に説明すると、オプションにはコールとプットの二種類があります。たとえば、アップル株が上がると思う場合はコール・オプションを買い、下がると思うならプット・オプションを買います。株とオプションの決定的な違いは時間制限です。株の場合なら長期にわたって保有しても構いませんが、オプションには5月限、6月限といったように制限がありますから、制限時間内に持っているオプションを処分しないと価格がゼロになってしまいます。

時間制限はありますが、オプションには大きな魅力があります。アップル株は現在164ドルで取引されていますから、100株買う場合は1万6400ドルの資金が必要になります。しかし、オプションの場合なら極めて少ない資金で取引ができます。たとえば、5月限ストライク・プライス165ドルのコール・オプションなら470ドルあれば取引が可能です。

どんな人たちがオプションを取引するのでしょうか?もちろん、ヘッジファンドのプロたちもオプションを積極的に利用していることは確かですが、極めて少ない資金で参加できるため多くの個人投資家もオプションのトレードをしています。

上記したように、アップルを100株買うには1万6400ドル(約178万7600円)の資金が要ります。しかし、アップル100株に相当するコール・オプションはたったの470ドル(約5万1230円)で買えますから、資金の限られている個人投資家にはオプションは大きな魅力です。

マーケットに急落が起きたのは2月、第1四半期です。ウォール・ストリート・ジャーナルが報道しているように、第1四半期のオプションの取引高は史上最高でした。言い換えると、史上最高数に相当する個人投資家たちが、オプション市場に参加していた可能性があります。

投機性の高いオプション市場には、資金が少なく、そして経験の浅い個人投資家が集まるので、「オプション市場は逆指標である」という言葉があります。


上半分はプット・コール・レシオ、下半分はS&P500指数です。Aで分かるように、マーケットが高値を更新し続けていた1月下旬、プット・コール・レシオは低い数値で推移していました。低い数字には、投資家たちの強気な姿勢が表れています。急落の底となったBではプット・コール・レシオが跳ね上がり、超弱気になった投資家たちの姿を見ることができます。正に、プット・コール・レシオには、高値圏で強気になり、安値圏で弱気になる投資心理がよく反映されています。

繰り返しになりますが、個人投資家には、機関投資家のような豊富な資金がありません。アマゾンのような人気株は一株1500ドルもしますから、一般の投資家が1000株、2000株と買うのは無理です。しかし、どうしても株を買いたい、という要望を満たしてくれたのがオプション市場だった訳です。

2月の急落で、多くの個人投資家たちが、オプション市場で損を出したことでしょう。良い解釈をすれば、この急落で個人投資家たちの投機熱が冷めた筈です。しかし、悲観的な見方をすれば、この急落で個人がマーケットから撤退することになり、米国株式市場は、高値を更新することがしばらくできない、と結論できるかもしれません。

(参照した記事:Why Wall Street’s Stock Traders Are Having Their Best Year Since the Crisis

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