米国株式市場:良い決算が次々と発表されているのに、なぜマーケットは高値を更新できないのか?

ボラティリティ指数が、トレーダーたちの間で話題となっています。下が日足チャートです。


見てのとおり、2月に起きたマーケットの急落で、ボラティリティ指数はレジスタンスゾーンを大きく突破しました(A)。ボラティリティ指数には「恐怖指数」という別名があり、マーケット急落のような荒れる状況では跳ね上がります。


上半分がボラティリティ指数、下半分はS&P500指数です。マーケットが順調に上昇し、投資家たちがご機嫌な状況では、ボラティリティ指数は15未満の低い数値で動いていました。しかし、最近は上げ下げの激しい揺れるマーケットとなり、ボラティリティ指数が20を超えることが頻繁に起きています。正に、投資家たちのマーケットに対する恐怖感が高まっています。

多くの投資家たちが持つ疑問はこれです。
以前のような、ボラティリティの低い、安定した上昇マーケットはしばらくやって来ないのだろうか?不安定な高ボラティリティなマーケットが、これから当分の間続くのだろうか?
「現在のような不安定な状態は、あともう17日間続く」、などといった具体的な事を言うアナリストはほとんどいませんが、トム・マクレラン氏はこんな事を述べています。
厳しい下げ市場が展開される。底打ちは8月だ。
マクレラン氏が弱気になった理由の一つは、ゼロより下で推移しているプライス・オシレーターです。


二本の線が入っていますが、上がS&P500指数、下がプライス・オシレーターです。順調に上昇するマーケットでは、このオシレーターはゼロより上で推移しますが、マクレラン氏によると、既にゼロより下にあるオシレーターが再下降となると、S&P500指数は前回の安値を割る下げが始まる傾向があります。よく見ると分かりますが、オシレーターには再下降の兆しが見えています。

マクレラン氏は、こんなことも指摘しています。
米国債が売られ利回りが3%を突破したことが話題になっている。しかし、スマート・マネーは国債を買っている。彼らは、これからは利回りが下降すると読んでいるのだ。言い換えると、スマートマネーは米国経済の減速を予測している。
実は、私も国債のことが気になっていました。下は、米10年国債の日足チャートです。


A(緑)がスマートマネーと呼ばれるコマーシャルズ、そしてB(赤)が大口投機筋です。見てのとおり、去年10月の終わり頃から、両者の立場が逆転しています。売り姿勢だったコマーシャルズは買い姿勢に、そして大口投機筋は、買いから売りに変わっています。

もし、これから更に国債は売られ利回りの上昇が続くことが予想されるのなら、スマートマネーであるコマーシャルズは以前のように売り姿勢をキープする筈です。しかし、10月の終わり頃からコマーシャルズは買っているのですから、マクレラン氏の言うように、スマートマネーはやがて利回りの下降が始まるだけでなく、米国の経済減速を予想しているのではないでしょうか?

最近頻繁に耳にすることは、この言葉です。
好決算が次々と発表されているのに、米国株式市場は、なぜ高値を更新できないのだろう?
これが答えではないでしょうか?スマートマネーは、米国経済の下降が始まることを予測しているふしがありますから、米国企業の好決算サイクルは終わったと見ているのでしょう。


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