いよいよ苦しくなった米国消費者

米10年国債の利回りが、とうとう2.7%に達し、2016年7月に記録した1.44%から約2倍となりました。下は、米10年国債利回りの長期チャートです。

チャート:multpl.com (1月26日時点)
この1年半で利回りは倍になりましたが、歴史的平均値である4.57%と比較すると、現在の2.7%はまだ低レベルです。しかし、多くの投資家が、上昇する利回りが株式市場に悪影響となることを心配しています。

見ての通り、現在の利回りはガンドラック氏とソシエテ・ジェネラルが指摘する数値を既に上回り、ゴールドマン・サックスとJPモルガンが指摘している警報値2.75%に迫っています。言うまでもなく、ここからは株を積極的に買うのは難しい状況です。

国債の利回りは、住宅市場に重要な住宅ローン金利に大きな影響を与えます。CNBCによると、この1ヶ月で30年固定金利住宅ローンの平均金利は4%から4.28%に上昇し、4.5%という数値も現れ始めています。

チャート:セントルイス連銀
上は、30年固定金利住宅ローンの平均金利の推移です。最近、金利の上昇が顕著になっているのは事実ですが、4%台の金利は歴史的に見るとまだ低水準です。しかし、問題はこれです。

チャート:セントルイス連銀
上のチャートには、米国の新築住宅販売価格(中間値)の動きが示されています。年々上昇が続き、現在の住宅価格は史上最高のレベルに達しています。中古住宅価格も同様に上昇が続き、アナリストは、住宅は多くの消費者たちの手の届かないレベルに達していることを指摘しています。このような状況、家を買いたくても高すぎて買えないという人たちが増えている中で、住宅ローン金利の上昇が住宅市場に好影響となることはありません。

これも心配材料です。

チャート:statista
米国の世帯が抱える借金です。2017年第1四半期末における借金は12兆7300億ドルを記録し、史上最高だった2008年第3四半期の数値を超えました。国民が記録的な借金を抱える状況での金利上昇が、米国経済に良い影響となる事など有り得ません。

今朝のニュースによると、米国消費者の貯蓄率は最近10年間で最低のレベルに落ち込んでいます。もちろん、この報道に驚いた人はいないことでしょう。史上最高の借金を抱える状態にもかかわらず、個人消費支出は伸び続けているのですから、貯蓄率が下落するのは当たり前です。

上記したように、ゴールドマン・サックスのアナリストは、2.75%以上の国債利回りが株への黄信号になると予測しています。しかし、住宅ローン、クレジットカード、学生ローンの借金で首が回らない米国消費者にとって、2.75%突破は赤信号になりそうです。

(参照した記事:Rates are shooting higher on inflation fears, 10-year yield its highest in nearly 4 years

U.S. consumer spending rises; savings drop to 10-year low

Mortgage rates jump to highest in 4 years, an ominous sign for spring housing

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