米国に迫る景気の後退??

先週金曜に発表された米国9月の非農業部門雇用者数は、予想されていた8万人増を下回る3万3000人減(前月比)という冴えない結果でした。「減少は7年ぶり」と報道されましたが、「これはハリケーンが原因であり、あくまでも一時的な出来事である」という見方が直ぐに広がり、悪いニュースは無視される形となりました。


多くの人たちは、失業率に疑問を感じています。
雇用者数の増減は8月(16万9千人増)からマイナスに陥り、市場予測(8万人増)を大きく下回った。飲食業が10万人超も減った。一方、全米の失業率は前月から0.2ポイント改善し、16年ぶり水準を更新した。(日本経済新聞)
非農業部門の雇用者数は3万3000人減り、特に飲食業が10万人も減ったという状況ですが、米国の失業率は4.4%から4.2%に下がりました。
複数の火山の噴火、テロリストによる爆弾攻撃、そして西海岸がゴジラに襲われるような事態となれば、米国の失業率は0%に下がることだろう。もちろん冗談だが、どちらにしても低下した失業率は納得できない。7月の非農業部門の雇用者数は、18万9000人増から13万8000人増に下方修正された。8月分は上方修正された。肝心なことは、今年の雇用者数の成長は、最近5年間で最も弱いということだ。こんな状況なのだから、失業率が16年ぶりの低レベルに下がることなど考えられない。-- マイケル・スナイダー(The Economic Collapse)
スナイダー氏は、こんなことも指摘しています。


上のチャートには、1940年代から現在までの、平均的な失業期間が示されています。スナイダー氏が強調しているのは、チャートの一番右側です。
先ず言えることは、最近の平均的な失業期間は、古き良き時代の時よりかなり長くなっている。そしてチャートの一番右端で分かるように、下降が続いていた期間が一転して上昇が始まっている。これは米国経済にとって嬉しいニュースではない。なぜなら、失業期間の上昇は景気後退(灰色の部分)と密接な関係があるからだ。
下は最近1年間だけを見たものです。


たしかに跳ね上がっています。9月の平均的な失業期間は26.8週間となり、24.4週間だった8月からほぼ10%の大幅上昇です。

上記したように、主流メディアは「全てはハリケーンの責任」と報道し、予想より悪い雇用者数は無視される形となりました。そればかりか、「米国の経済は順調に成長が続き、12月の金利引き上げはほぼ間違いなく実施される」というエコノミストたちの意見も繰り返し報道されました。

5月19日のニュースになりますが、交通事故などで緊急病院へ運ばれると、平均で1000ドルの自己負担があります。問題は、ほぼ50%のアメリカ人には400ドルの現金がありません。ですから、緊急病院へ担ぎ込まれると借金をして医療費を支払うことになります。これが豊な国でしょうか?

主流メディアは、「米国経済は順調である」と語るエコノミストを次々と登場させ、「今回の悪い数値はハリケーンの責任である」の一言で片付けています。しかし現実は、半数の米国人には400ドルの現金が無いのです。この厳しい現実をハリケーンのせいにすることはできません。

(参照した記事:ハリケーン被害で7年ぶりの減少 9月の米雇用統計

Economic Slowdown Confirmed

Nearly half don’t have the cash to pay for a $400 emergency, Fed survey finds

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