資金の少ない若い世代から裕福な投資家まで皆揃って株に熱中

警戒論は有り余るほど既に発表されていますが、米国株式市場に差し迫った心配材料として、マイケル・ウィルソン氏(モルガン・スタンレー)は次の5項目を挙げています。

  • 米FRBのバランスシート縮小がそろそろ始まりそうだ。
  • 減税は議会をそう簡単に通過しそうにない。
  • 次期FRB議長任命がマーケットを動揺させる可能性がある。
  • 低迷していたドルが底を打ち上昇が始まりそうだ。
  • 経済先行指数は極端なレベルに達し、このあたりがピークとなる可能性がある。
しかし、ウィルソン氏は株を売ることは勧めず、マーケットが下げる度に株を買い足すことを勧めています。

ダウ平均は火曜のマーケットで史上初めて23000を瞬時超え、米国株式市場の好調な展開が続いています。特に今年に入ってからは個人投資家のマーケットへの参加が目立ち、チャールズ・シュワブ(証券・投資銀行)は、こんなニュースを発表しています。
第2四半期、個人投資家によって開設された口座数は35万に及び、これで今年開設された個人口座数は17年ぶりに最高の71万9000に達した。
17年前と言えば、米国株式市場はインターネット株バブルに浮かれていた年です。多くの人がサラリーマンを辞めデイトレーダーに転身し、とにかく異常な株ブームでした。

下は、チャールズ・シュワブからのニュースの続きです。
個人投資家たちは、資金を積極的に株へ割り当てている。その結果、現金が口座を占める割合が減り、現在の数値は約11.5%だ。このような低数値は、2009年の春以来見たことがない。
2009年の春と言えば、米国株式市場が大底を打った年です。金融危機でマーケットは大きく崩れ、2007年10月、1576の高値にあったS&P500指数は、2009年3月には666まで下げていました。

興味深いことは、2009年の大底で、現金が個人投資家の口座を占める割合が極めて低かったということです。もし下げ相場の中で持ち株を売却していれば、現金が口座を占める割合が増えた筈です。そうならなかったということは、個人投資家たちは株を損切ることを拒否し持ち続けてしまった、または下げる株を買い足してしまったということでしょう。

若い世代も株式市場に興味を持ち始めました。
割高な米株だが、若い世代はそのようなことを気にしていない。Eトレードが行った意見調査によると、ミレニアル世代(25歳~34歳)の約三分の一が向こう6ヶ月間で現金を株に割り当てることを考えている。(マーケット・ウォッチ)
三分の一という数値は小さく思われるかもしれませんが、35歳から54歳の世代で株へ資金を移動させようと考えているのは19%、55歳以上の人たちの場合は、たったの9%です。ご存知のように、若い世代の持つ資金は少ないですから、少ない資金を大きく増やそうと、かなり投機的な売買を行う可能性があります。

では、富裕層に属する投資家はどんな姿勢でしょうか?ゼロヘッジは、裕福な個人投資家を担当するモルガン・スタンレー社員の言葉を指摘しています。
世界の株式市場の上昇に伴い、顧客たちは資金を株へ回している。現金が口座を占める割合は史上最低だ。
正に、資金の少ない若い世代から、資金を豊富に持つ富裕層までが株に夢中になっている状態です。ここで思い出すのは投資心理の周期です。


1、楽観、2、興奮、3、スリル、4、陶酔、5、ここが最高の買いチャンスだ!、
6、心配、7、現状の否定、8、恐怖、9、自暴自棄、10、パニック、11、降伏、
12、落胆、13、鬱的な状態、14、希望、15、安心、16、楽観

さて、現在の位置はどこでしょうか?4番目の可能性が高いのではないでしょうか?もちろん、好調な相場はもうしばらく続くことも考えられますから、ここで絶対に買ってはいけないとは言いません。しかし一旦下げが始まったら株をサッサと投げ、下げ相場と心中してはいけません。


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