膨大な額の資金が流入したのにETF価格は下がった??

「今日のマーケットで話題になったことは何だ」、と問われれば、ほとんどの人たちはこの二つを挙げることでしょう。
  • アップルの発表会
  • JPモルガンのCEOダイモン氏の「ビットコインは詐欺だ」発言
これは大した話題にはなりませんでしたが、私はこのゼロヘッジの記事に興味を感じました。
If Everything's So Awesome, Why Did This Happen Yesterday?(全てが最高なのなら、なぜこんなことが昨日起きたのだろう?)
先ず昨日月曜のマーケットですが、ダウ平均は260ポイントの上昇、パーセンテージで言えば1.2%の大幅上昇となりました。こんなに株が好調だったのですが、ゼロヘッジによると、米国債にも資金が大きく流れ込んでいたのです。下は、記事に掲載されていたチャートです。


TLTというのは、米長期国債に投資をしているETFのことです。上に伸びる緑の線はこのETFに流入した資金額を示し、下に伸びる赤い線は流出した資金額を表しています。矢印の部分で分かるように、昨日の取引でこのETFに流入した資金額は史上最高でした。ご存知のように、株が心配な時、不安定な時に資金は国債へ移動します。昨日の特大な資金流入は、「投資家たちは米国の株式市場に対してかなりの警戒心を持っている」と解釈してよさそうです。

しかしよく分からないこともあります。


上が、ゼロヘッジの記事で取り上げられている米国債ETFの日足チャートです。1が昨日の取引を示すローソク足になります。記事によれば、史上最高の資金が流入したということですが、黒色の陰線で分かるようにETF価格は下げています。出来高(2)も通常を上回る量ですから、資金は流入したのではなく反対に国債から逃げたのではないでしょうか?

ここで思い出すのは、バロンズ誌に掲載されていたETFに関する約2年前の記事です。
個人投資家にだけでなく、ETFはヘッジファンドや年金ファンドにも広く活用されている。とても人気のあるETFだが、分かりにくい部分も多い。先ず第一に挙げることができるのはETFを空売った場合だ。もし投資家がETFを空売ると、それは資金の流入として記録される。
その顕著な実例としてバロンズ誌は、金融危機の2008年、S&P500のETFに大量な資金が流入したことを指摘しています。2008年9月15日(リーマン・ブラザーズが破綻した日)から2008年の年末にかけて、大型株指数であるS&P500は28%の大幅下落となりました。しかし上記したように、空売りは資金の流入と数えられるため、同期間にS&P500のETFに流入した資金は約60%増と記録される結果となりました。

フォーブス誌にも同様な報道があります。ETFを運営する会社から任命されたブローカーは、大きな資金を動かしているヘッジファンドを優先します。たとえば、ある大手ファンドから大量なETFの空売りの申し込みがあった場合、ブローカーはETFを新たに発行してファンドの空売り要望に応えます。要するに、ファンドは新たに発行されたETFを借りて市場で売ることで空売り目的を達成します。ETFを運営する会社側から見れば、新規に発行したETFの株数(口数)分だけ資産が増えたことになります。

証拠はありません。単なる憶測ですが、ETF価格が下がっていることを考えると、国債のETFへ昨日流入した膨大な資金というのは、大量な空売りがあったことを示しているのかもしれません。フォーブス誌の記事は、こう締めくくっています。
投資経験の浅い深いに関係なく、私たち投資家が、ETFへの資金流入流出データを正確に読み取ることは難しい。

(情報源:If Everything's So Awesome, Why Did This Happen Yesterday?

Why ETF Inflows Can Mislead Investors

The Hidden Truth Behind ETF Inflows

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