1億4300万人の個人情報漏れ!

株価が10%を超える下落、というのは珍しい話ではありませんが、今朝の報道を聞いて多くの人たちが不安になっています。問題が起きたのはエクィファクス(EFX)です。

エクィファクスは米国の信用調査会社。米国内で企業向けにオンライン個人信用照合、不正利用、マーケティング、顧客データ管理などのサービスを行うほか、カナダ、欧州、中南米で個人信用情報とマーケティング事業を展開。また、源泉徴収票管理、税金対策、人材管理サービスや一般消費者向けクレジットレポート、個人信用情報の監視・保護などのサービスを提供。(ヤフー・ファイナンス)



見ての通り、株価は13.71%の大幅下落です。エクィファクス社はサイバー攻撃を受け、1億4300万人の個人情報が盗まれました。アメリカの人口は3億2300万人ですから、言うまでもなく1億4300万人という数字は膨大です。「ひょっとすると私も被害を受けているかもしれない」、と多くの人々が心配しています。盗まれた情報には住所、生年月日、運転免許証番号、社会保障番号などが含まれているということですから事態は深刻です。

報道によると、エクィファクス社がサイバー攻撃を受けたのは今年の5月から7月になり、会社側がハッカーによる不正侵入に気がついたのは7月29日です。しかし会社側は、この重大な事件を昨日まで発表しなかったのです。

それだけではありません。会社の重役が、200万ドル相当の持ち株を売却していたのです。上記したように、会社側が情報を盗まれていることに気がついたのは7月29日です。米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、8月1日と8月2日に、最高財務責任者を含むトップクラスの幹部3人が約200万ドルに及ぶ持ち株を売っています。

CNNによると、「売却された株数は極めて少ないパーセンテージであり、幹部3人はサイバー攻撃があったことを知らなかった」と会社側はコメントしたそうです。もちろん、「会社の幹部が知らなかったなどという事が有りえるのだろうか」と多くの人たちが首をかしげています。

更に、こんな報道もあります。オプションの専門家ジョン・ナジャリアン氏によると、8月21日のオプション市場で、異常な量のエクィファクス社のプットオプションが買われていました。(株価が下がると、プットオプション価格が上昇します。)

7月の一ヶ月間にあったエクィファクスのプットオプションの取引数は計250枚でしたが、8月21日には、なんと2600枚もの取引がありました。買われたのは、9月限のプットオプションで、ストライク・プライスは135ドルです。「今朝の株価の大幅下落で、このプットオプションを買った人には約420万ドルの利益が出ているだろう」、とナジャリアン氏は推定しています。

復習してみましょう。

  • エクィファクス社は、5月から7月に渡って情報を盗まれていた。
  • 会社側は7月29日まで攻撃を受けていたことに気がつかなかった。
  • 8月1日と2日に、会社幹部の3人が200万ドル相当の持ち株を売却した。
  • 8月21日には、株価が下がると儲かる仕組みになっているプットオプションが大量に買われていた。
  • 会社側は、昨日(9月7日)までこの重大な事件を公表しなかった。
言うまでもなく、エクィファクス社の信用はガタ落ちです。損害賠償として700億ドルを要求する集団訴訟がさっそく起きていることが報道されています。



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