トランプ・ラリーの終焉とVWAP

ドナルド・トランプ氏が大統領に当選して以来、米国株式市場のベンチマークとして知られるS&P500指数は11%の上昇です。

S&P500指数の日足チャート
矢印で示したところが、選挙が行われた11月8日です。好調なマーケットはトランプ・ラリーと名付けられ、S&P500指数を構成する銘柄の中で最も上昇したのは+64%のユナイテッド・レンタルズです。

ユナイテッド・レンタルズは、建設設備レンタル会社。建設業、産業、個人向けに架空リフト、空気圧縮機、圧縮機、コンクリート機器、地ならし機、フォークリフト、発電機、照明器具、冷暖房空調設備(HVAC)、造園設備、発電機、送電機、電気機器、高圧洗浄機、測量機、溶接機、トラクター等を提供。新品およびレンタル使用後の製品の販売も手掛ける。(ヤフー・ファイナンスから抜粋)
上の企業概要で分かるように、ユナイテッド・レンタルズは、大々的なインフラ投資を提案しているトランプ大統領の経済政策にピッタリな銘柄です。

下が日足チャートです。


選挙の翌日、ユナイテッド・レンタルズは窓を開けて強いスタートを切り(A)、抵抗線を上回って取引を終えました。現在、株価は上昇する50日移動平均線をテスト中ですから(B)、押し目買いのチャンスと判断した人も多いことでしょう。

ご存知のように、移動平均線はサポートになる傾向がありますから、買いのタイミングを計るために多くのトレーダーが利用しています。下は、ユナイテッド・レンタルズの日足チャートに、4本(20日、50日、100日、200日)の移動平均線を入れたものです。


もし、現在テスト中の50日移動平均線を割ったとしても、100日と200日移動平均線付近には買い手が待っていることでしょう。しかし、「200日移動平均線より下にはベアが住む」という言葉がありますから、買い手にとって200日移動平均線が最後の砦になります。言い換えると、株価が200日移動平均線より上にあるかぎり買い手は諦めないと結論することができますが、もう一つ役立つのはVWAP(出来高加重平均)です。


突出した出来高(1)で分かるように、ユナイテッド・レンタルズ株に投資家たちが殺到したのは選挙の翌日です。赤い線(2)が選挙の翌日から引いたVWAPです。現在の株価はVWAPより上ですから、選挙の翌日以来買った人たちの損益合計はプラスとなり、投資心理は明るい状態です。株価がVWAPを決定的に割ることは、選挙の翌日以来買った人たちの損益合計がマイナスになることですから、投資心理も明るい状態から暗い状態へ落ち込みます。言い換えると、買い手にとってVWAPが最後の砦になる可能性があります。

下は、S&P500指数のETFの日足チャートに、選挙の翌日からVWAPを引いたものです。


今のところ、ETF価格はVWAPより上ですから投資心理は明らかに良好です。上記したように、VWAP割れは投資心理の悪化を意味しますが、このVWAPを割ることはトランプ・ラリーの終焉をも意味しますから無視できない一線です。

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