米国住宅市場に危険信号??

8.3パーセントだった住宅ローン支払い滞納者率が9.02%に上昇したと報道され、一部の投資家たちは、「これは危険サインだ」と米国住宅市場の心配をし始めています。
米抵当銀行協会によると、2016年第3四半期8.3%だったFHAローン支払い滞納者率が、2016年第4四半期9.02%に上昇した。滞納率が増大するのは2006年以来初めてだ。(CNBC)
FHAローンというのは、連邦住宅管理公団によって保証された住宅ローンであり、頭金が少なめで借りることができるので、初めて住宅を購入する人たちに人気のあるローンです。

FHAローンだけでなく、全ての住宅ローンを含めた場合の支払い滞納者率は4.52%から4.80%への増大となり、下のチャートで分かるように、現在の率は歴史的に低いレベルです。

チャート:ゼロヘッジ
長期にわたり低い支払い滞納者率が続いていた。しかし、この突然の跳ね上がりには驚かされる。これは単なる一度だけの出来事なのか、それともトレンド転換サインなのかが気になる。-- デービッド・スティーブンス(米抵当銀行協会)
なぜ支払い滞納者率が突然跳ね上がったかの原因は、もっとデータを見ないと分からないと報道されていますが、CNBCは審査が甘くなったことを指摘しています。
FHAから住宅ローンを借りる場合、最低で580のクレジットスコアが必要だ。2010年から2011年を振り返ると、FHA住宅ローンを借りた人たちの平均クレジットスコアは約700だった。しかしこの数値は2016年675に下がっている。
審査が甘くなったのは米国経済が回復成長し、銀行が以前のように貸し出しに神経質でなくなったためです。しかし、「甘い審査」などという言葉を聞くと「サブプライムローン」を思い出し、少し不安になってしまいます。

ご存知のように、米国は金利引き上げ周期に入り、下のチャートで分かるように住宅ローン金利も上昇が始まっています。

チャート:YCHARTS
30年住宅ローン金利の動きです。3%台の時代は終わり、現在の平均金利は4.19%です。

3ヶ月前、ゼロヘッジは住宅ローンの申し込み数が大幅に減少していることを伝えています。

チャート:ゼロヘッジ
青い線が住宅ローンの金利、赤が住宅ローンの申し込み数です。金利上昇が、明らかに悪影響となっています。

更に、住宅価格も購入者には重荷となっています。

チャート:セントルイス連銀
新築住宅の中間販売価格です。現在の価格は32万2500ドル、史上最高のレベルに達しています。

こういう問題もあります。

チャート:ゼロヘッジ
米国消費者の週平均の所得成長率です。
2016年12月の実質週平均所得の成長率は、前年比でたったの0.2パーセント増だった。これは2014年6月以来最低の伸びだ。(ゼロヘッジ)
住宅を買いたいのはやまやまですが、肝心な給料がなかなか上がりません。住宅価格は史上最高、住宅ローンの金利も上昇が始まっていますから、これでは住宅の購入はますます困難です。更に、「住宅ローンの金利上昇が始まれば、これ以上の上昇となる前に家を買っておこうという人たちがローンの申し込みに殺到する」、とアナリストたちは予想していましたが、今のところそんなことは起きていません。2017年、米国住宅市場は下降開始の年になりそうです。

(参照した記事:Mortgage delinquencies among some homeowners just spiked, spelling trouble

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