最近数週間の米国債市場の動きは米国経済の失速を予想している??

キング牧師の日で米国は祭日、株式市場も休みとなりました。

「目には目を」という古い法を守っていたら、世の中の人々はみんな目が見えなくなってしまう。(キング牧師)
株ではなく、米国債の最近の様子を見てみたいと思います。
興味深いのはCOTレポートだ。(COTレポート:米商品取引委員会から毎週発表される大口投機家、小口投機家、コマーシャル・ヘッジャー達の建玉状況レポート。) 賢い資金として知られるコマーシャル・ヘッジャーが、米10年国債に極めて強気になっている。世の中の人々は、米国債に対して弱気だが、賢い資金は再び積極的に買っている。-- マーク・アーベター(アーベター・インベストメント)
下が、米10年国債の日足チャートです。

チャート:finviz.com
1で分かるように、去年の10月から12月にかけて、国債価格が急落となりました。(国債価格が下がると利回りは上昇します。)完全な底打ちかは分かりませんが、最近は国債価格が上昇しています(2)。

国債が下げる中、買いポジションを大きく増やしたのは賢い資金のコマーシャル・ヘッジャー(3)、大口投機家は、空売りポジションを相変わらず増やしています(4)。
7月以来、コマーシャル・ヘッジャーは、10年国債の買いコントラクト数(枚数)を689,249増やした。最後にコマーシャル・ヘッジャーが、このような勢いで買いを増やしたのは2007年末から2008年初旬にかけてだった。この時は、結果として10年国債価格は20%の上昇となった。-- マーク・アーベター(アーベター・インベストメント)
上記したように、国債価格が下がると利回りが上昇します。言い換えると、国債が売られると利回りが上昇します。


上のチャートの黒い線は米10年国債の価格、そして赤い線は米10年国債の利回りを示します。見てのとおり、国債価格が下落すると利回りは上昇、そして国債価格が上昇すると利回りは下落です。

利回りの上昇が特に目立つようになったのは、ドナルド・トランプ氏の当選が決まってからです。報道されているように、トランプ氏は大規模なインフラ投資を約束しました。当然の成り行きとして、トランプ政権では、インフラ投資資金を得るために膨大な量の国債が発行されることになりますから、インフレを懸念する投資家たちによる米国債の売却が始まりました。
トランプ氏は、自著で1兆ドル(約102兆円)という巨額のインフラ投資を主張しており、選挙戦の最中の8月にはクリント氏が主張する金額の少なくとも2倍の金額を投じるとも発言している。クリントン氏は総額で2750億ドルの投資を公約に掲げていたので、この2倍以上ということになれば約6000億ドル近くになる。-- 加谷 珪一(評論家)
トランプ政権では大量な国債が追加発行される、インフレ懸念もあるといった状態で、なぜコマーシャル・ヘッジャーは積極的に米国債を買っているのでしょうか?これは少数意見ですが、アーベター氏は、こう述べています。
多くのアナリスト、そして経済学者たちは、ドナルド・トランプ氏の経済政策は米国経済に好影響となると見ている。企業に対する規制を減らし、法人税引き下げを実施するというのだから、そう結論するのは当然だと思う。しかし、国債価格の大幅上昇は経済の成長ではなく失速を意味する。
ということで、アーベター氏は、こう結論したようです。「賢い資金であるコマーシャル・ヘッジャーが国債を最近積極的に買っているのは、彼らは米国経済が下向きになる可能性があると判断したためだ。」

(参照した記事:Why I Warmed Up To US Treasuries

トランプ新政権で米国は好景気になる可能性が高い

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