米国株式市場: 暴落に賭ける投機家たち

先週の金曜日、ローラーコースターに乗って悲鳴をあげる人たちの大きな写真を伴って、こんな記事がマーケット・ウォッチに掲載されていました。


株式市場の大幅下落に備える投資家たち

マーケット・ウォッチによると、一ヶ月後に時間切れとなるVIXのコールオプション取引に、気になることが起きています。

VIXというのはボラティリティ指数のことです。この指数には「恐怖指数」という別名があり、マーケットとは反対の動きになります。ですから、S&P500指数が上昇する状況ではVIXは下げ、S&P500指数が下げる状況ではVIXは上昇します。

記事が指摘しているのはVIXのコールオプションの買いですから、投資家たちはVIXが上昇することを予想しています。要するに、投資家たちはマーケットの下げに賭けているのです。下は、VIX(ボラティリティ指数)の日足チャートです。


最近1年間の様子です。金曜の終値は11.23、見てのとおり極めて低いレベルですから、そろそろ上昇するだろうという予想は不思議ではありません。しかしマーケット・ウォッチによると、最近目立って増えているのは、VIXが21、22という現在の水準から極めて大きく離れたレベルまで上昇することを予想したコールオプションの買いです。
マーケットが暴落とならないかぎり、VIXがそこまで上昇することは不可能だ。 -- ブライン・バイヤー(マクロ・リスク・アドバイザーズ)
オプションには、ストライク・プライスというものがあります。簡単に言えば、ストライク・プライスは目標値です。マーケット・ウォッチの記事は、一ヶ月以内に時間切れとなる、ストライク・プライスが21と22のVIXコールオプションの買いが目立つという内容です。

一部の人たちが期待しているような暴落が一ヶ月以内に起きるかは分かりませんが、大統領選挙以来、米国株式市場の上昇に大きく貢献したのは銀行株です。マーケットのテクニカル・アナリストとして知られるマイスラー氏は、先週のツイートでこんな質問をしています。

このチャートは買いですか?
見てのとおり、安値圏で横ばいが続いています。下げが終了し、底の形成中と判断するのなら買いの準備です。もちろん、再下落前の一時的な横ばいと解釈するなら、次の空売りチャンスを狙います。

実は、上のチャートは、上下が引っくり返っています。正体はこれです。


選挙後のマーケットの牽引車となったバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックスなどの金融株に投資しているETFの日足チャートです。さて、このチャートは買いパターンでしょうか?再上昇に備えて高値圏で休憩中と判断するのなら、米国株式市場には、更なる上昇が見込めます。

DailyFXは、興味深いツイートをしています。


個人投機家たちのS&P500指数の売買状況です。見てのとおり、空売りに大きく傾いています。(赤い横線が空売りポジション、緑が買いポジションを示します。)個人投機家は、よく間違うことで有名ですから、このデータだけで判断すると、S&P500指数には横ばいからの上放れが期待できます。

私はVWAPに注目しています。下は、S&P500指数のETFの日足チャートです。


赤い線は、最近の安値となった11月4日から引いたVWAP(出来高加重平均)です。値動きがVWAPより上なら市場参加者は強気、それより下なら弱気です。現時点では買いが優勢な状態ですから、もし空売りするなら、ごく少量に限られます。

(参照した記事:Investors are bracing for a massive stock-market selloff

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