サポートラインを決定的に割った金

火曜のマーケットで話題になったのは、この報道です。
米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁は4日、インフレを制御するには金利は著しく上昇する必要があるかもしれないとし、利上げを行う強い根拠が存在するとの認識を表明した。(ロイター)
ここ数ヶ月間、利上げの必要性を提唱しているラッカー総裁ですから、今日のタカ派的な発言は珍しいことではありません。しかし、投資家たちが驚いたのは、適正金利に関する総裁の見解です。

現在の失業率やインフレ率を踏まえると、金利は現行水準から約1.5%ポイント高い水準であるべきことを歴史は示す。

現行の米国政策金利は0.25%~0.50%ですから、この水準から1.5%ポイント高いということは、1.75%~2.00%になります。
全く信じられない。ラッカー総裁は、1994年にグリーンスパンFRB議長が行ったような大幅な金利引き上げをするべきだ、と述べている。総裁は、米国がどれほどの債務を抱えているかを知らないのだろうか?しかし、トレーダーたちはラッカー総裁の話を真面目に受け取り、金を売ってドルを買った。(iBankCoin)
金のETFの日足チャートを見てみましょう。


3.47%の大幅下落、長い陰線(A)が形成されました。見てのとおり、124ドル付近に走るサポートライン(B)を決定的に割っています。覚えておきたいことは、一旦崩れたサポートはレジスタンスになる傾向がありますから、ETF価格が反発したとしても、124ドルを越えるのはかなり難しい可能性があります。

出来高も突出しています(C)。今日の取引量は7月以来最高となり、売り圧力の強さが示されています。

もう一つ注目したいのは、迫る200日移動平均線(D)です。20日、50日、そして200日移動平均線を押し目買いのタイミングに利用するトレーダーは多いですから、買い手がそろそろ現れる可能性が十分にあります。もし、200日移動平均線がサポートになり、そこで買うことができた場合、目標となるのは今日崩れてしまったサポートライン(B)です。思惑が外れた場合は、200日移動平均線割れで損切ります。

季節的に見た場合、10月は金が弱くなる傾向があります。

チャート:EquityClock.com

上は、過去20年間の金の季節性チャートです。全体的に言えることは、Aの矢印の方向で分かるように、金は7月から12月末にかけて上昇します。しかし、Bで分かるように、10月は上昇相場における一時的な下げの月となる傾向があります。現に、10月がプラスだったのは過去20年間で7回しかなく、10月は年間で金が最も不調な月です。

さて、ラッカー総裁のタカ派発言で、金利の先物市場は、どんな反応を見せたでしょうか?
データ: CMEグループ
12月のFOMCで、金利が現行の0.25%~0.50%に決定される可能性は41.1%です(A)。(右側の数字は前日の結果です。) Bは金利が0.50%~0.75%に決定される可能性、そしてCは0.75%~1.00%に決定される可能性です。ラッカー総裁は、金利は1.75%~2.00%が妥当であるという意見ですが、金利先物市場はそのような高金利を全く予測していません。

(情報源:米利上げに強い根拠、大幅上昇の必要も=リッチモンド連銀総裁

Fed’s Lacker is the Greasiest of Them All, Calls for Huge Hikes in Rates: Gold Markets Crushed

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