人々の嫌悪感は倍増、下放れとなったウェルズ・ファーゴ

9月13日のブログで書いたように、顧客からの了承無しで数百万の口座を開設していたウェルズ・ファーゴ銀行の信用度は急落です。客に無断で口座を開けることなど絶対にしてはいけないことですが、行員たちは、何故こんな馬鹿なことをしてしまったのでしょうか?米消費者金融保護局(CFPB)のコードレー局長は、こう述べています。「ウェルズ・ファーゴの行員は売り上げ目標を達成して賞与を得る目的で、顧客の許可を得ずに秘密裏に口座を開いた。」


銀行側は、5300人の行員の解雇、米消費者金融保護局発足以来最高となる罰金1億8500万ドルの支払い、そして顧客への賠償として500万ドルを支払うことで問題を決着させようとしました。しかし、この手ぬるい措置に、人々は怒りをあらわにしました。最近1年間で、ウェルズ・ファーゴが上げた総収益は842億ドルですから、1億8500万ドルの罰金など全く痛くありません。更に、5300人の行員を首にしたとのことですが、経営陣は相変わらず安泰であり、シニア・クラスの行員は一人も首になっていません。

全く反省の色が見えないウェルズ・ファーゴに対する人々の嫌悪感が倍増し、政治家たちが動き始めました。
・ウェルズ・ファーゴCEOに再び非難集中-辞任求める声が下院で再燃(9月30日)
・米シカゴ市当局:ウェルズFから2500万ドル引き揚げ-口座開設問題で(10月4日)
ということで、ウェルズ・ファーゴの問題は、経営陣一掃といった劇的なことが起きないかぎり、そう簡単に決着がつきそうにありません。

さて、こんな状況ですが、皆さんなら現時点でウェルズ・ファーゴ株を買う気になりますか?下が日足チャートです。


株価は横ばいが続いていましたが、矢印で分かるように、株価は先週とうとう下放れとなりました。横ばいゾーンの幅は約6ドル50セントですから、この値幅分に相当する下げが予測できますから、下げ目標値は38ドル付近です。(現在の株価は43ドル83セント)

もう一度質問します。皆さんなら、現時点でウェルズ・ファーゴを買いますか?問題が発覚して以来、二社のアナリストがウェルズ・ファーゴを格上げしています。
・Robert W. Baird: ニュートラルからアウトパフォームに引き上げ。(9月19日)
・Morgan Stanley: イコールウェイトからオーバーウェイトに格上げ。(9月20日)
両社のアナリストが格上げして以来、株価は既に6%の下落です。もう一つ興味深いのは、ヤフーファイナンスで調べたところ、問題が起きて以来、ウェルズ・ファーゴを格下げしたアナリストは一人だけです(JPモルガン)。言い換えると、顧客の信頼を裏切り、数百万もの口座を無断で開けた行為は銀行業務に大きな影響を与えることはない、とほとんどのアナリストは見ている訳です。

私は、シカゴ当局にならって、資金をウェルズ・ファーゴから引き揚げる市政府や州政府が、これからもっと出てくるような気がします。そうなれば、アナリストたちも見方を変えて、ウェルズ・ファーゴを格下げするしかありません。以前、「ウォール街を占拠せよ」、という反金融機関運動が流行りましたが、今回のウェルズ・ファーゴの一件で、この運動が復活しそうな様相です。

(参照した記事:米ウェルズ・ファーゴ、5300人懲戒解雇 不正口座開設で

ウェルズ・ファーゴCEOに再び非難集中-辞任求める声が下院で再燃

米シカゴ市当局:ウェルズFから2500万ドル引き揚げ-口座開設問題で

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