米国事情: 減る中流意識、大きく増えた下流意識

下は、ギャラップ社が行った意見調査です。

ギャラップ社
経済的に見た場合、あなたは、どの階級に属すると思いますか、という質問に対する回答です。最も多いのは、「自分は中流階級、または中流の上に属すると思う」、という回答です(A、51%)。次は48%(B)の「自分は労働階級、または下流階級に属すると思う」、そして一番少ないのは1%の「上流階級に属すると思う」、という回答です(C)。

見てのとおり、上昇しているのはBだけです。2001年、「自分は労働階級だ、下流階級だ」、という回答は33%でしたが、現在の数値はほぼ半数の48%に跳ね上がっています。同期間、「上流階級だ」、という回答は3%から1%に減り、「中流階級だ、中流の上だ」、という回答は63%から51%に大きく減ってしまいました。

15年前、2対1の割合で中流意識が下流意識を圧倒的に上回っていました。しかし、両者の数値は現在ほぼ同じです。ギャラップ社によれば、2000年から2008年までの中流意識の平均値は61%でしたから、現在の51%は平均値を10パーセンテージ・ポイント下回っています。ギャラップ社のジム・クリフトン氏は、こう書いています。
中流意識の10パーセンテージ・ポイントの減少は、約2500万人の米国市民に相当する。要するに、2500万の人々の暮らしが大きく崩れてしまったのだ。公に発表されている米国の失業率は4.9%だが、これら2500万の人々は統計に含まれていないだけでなく、マスコミにも無視されている。
たとえば、ある人が中流階級に属する6万5000ドルの年収があったとしよう。社会情勢が変化し、この人はアウトソーシングされてしまい、時給14ドル(年収約2万8000ドル)のフルタイムの新しい職を得た。言うまでもなく、この年収の下落は生活スタイルに大打撃を与え、階級は中流から下層クラスへ下がった。しかし統計的に見た場合、この人にはフルタイムの職がある訳だから、失業率の数値に含まれることはない。
クリフトン氏は、下層クラスへ転落した2500万の人々を「目に見ないアメリカ人(Invisible American)」、と呼んでいます。 繰り返しますが、現在のアメリカでは、約半数に相当する48%の人々が「自分は下層クラスに属する」、と答えています。15年前は33%だったのが、48%にも増えているのです。

ほぼ半数の人々が下流意識を持つアメリカは、自信に満ちた国家でしょうか?もちろん、答えは「ノー」です。最終的に、民主党からはヒラリー・クリントン氏が正式に大統領候補者に選ばれましたが、クリントン氏と争ったのは、社会主義を掲げるバーニー・サンダース氏でした。言うまでもなく、社会主義者が多数の支持を得たということは、下層クラス意識の大きな増大が影響していることは間違いありません。

アメリカ人は自信を失っています。「アメリカがナンバー1さ!」、と誰もが信じる時代は、とうの昔に終わっています。こんな時に、「アメリカを、もう一度偉大な国家に変えるのだ」、と叫ぶドナルド・トランプ氏に大きな期待が寄せられているのは、なんとなく分かるような気がします。

(情報源:The Invisible American

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