著名投資家ガンドラック氏は無責任なアドバイスをした!?

「全て売りだ」、というジェフリー・ガンドラック氏が先週発した言葉が今日も話題になっています。

ガンドラック氏
新債券王と呼ばれている人だけに、マスコミは、氏の発言を大々的に報道しました。もちろん、著名人の意見だからといって神妙に聞く必要は全くありません。「面白いことを言っているな」、「そんな見方もあるのか」、といった程度に聞き流せば良いことです。

しかし、投資アドバイザーのジョー・ファミ氏は、ガンドラック氏の言葉を簡単に聞き流すことができませんでした。昨日のブログで、ファミ氏は、こんなことを書いています。
私はガンドラック氏を尊敬しているが、金曜に発表した「全て売れ」、という意見には賛成できない。理由は4つある。
1、ガンドラック氏には、債券王というニックネームがある。しかし氏は、株式市場についても、かなり確固とした見方を述べている。専門分野は債券なのだから、意見を言いたいのなら、自分の得意分野である債券だけに限るべきだ。
2、包括的、無差別なアドバイスをするのは無責任だ。全ての投資家は同じではない。投資家には年齢の違いがあり、人によってリスクの許容度も違う。それに、短期投資をする人、長期投資をする人もいる訳だから、全ての人にあてはまるアドバイスなどできない。
3、世界の中央銀行が低金利政策を続けている限り、株は売りではなく買いだと私は思う。現行のトレンドに逆らう必要はない。
4、ガンドラック氏はバリュー投資家だ。世界の中央銀行によって量的緩和が続けられている現状では、割高割安の判断方法も違ってくる。PERが15倍だから割高だ、などといった絶対的なモノサシは無い。
ファミ氏の見方に、いちいち反論するつもりはありませんが、ファミ氏は「全て売れ」というヘッドラインだけを見てブログを書いたような気がします。ガンドラック氏は、芸術家クリストファー・ウール氏の「家を売れ 車を売れ 子どもたちを売れ」、という作品を指摘して、「正に、それが今の私の心境だ。全ては売り、良いものが見あたらない」、と語ったのです。

記事を読むと分かりますが、ガンドラック氏の投資姿勢は、「全てを売れ」からは、ほど遠い姿勢です。先ず、氏は金と金鉱株を引き続き保有していることを認めています。更に氏は、こう語っています。
ダブルライン・キャピタルの主流戦略では、国債を空売るということは決してしない。保有している国債を全部売却するということもしない。私たちがしたことは、保有する国債の量の調整、そして期間の違う国債への乗り換えだ。
繰り返しになりますが、見出しは「全て売れ」ですが、ガンドラック氏は全てを売っていません。それに記事では、何一つ具体的な投資については書かれていません。ガンドラック氏は、金や金鉱株を保有しているようですが、現時点でも積極的に買うべきなのか、それともそろそろ売るべきなのか、といったことについては一切記されていません。更に、記事には金鉱株と表記されているだけで、私たちにはガンドラック氏が実際にどの銘柄を保有しているかは分かりません。

ということで、ガンドラック氏が「全て売れ」、という包括的無差別なアドバイスをした、というのはファミ氏の早とちりです。この記事から現状を警戒するガンドラック氏の姿勢は分かりますが、具体的なアドバイスは何も無い訳ですから、失礼な言い方をすると、この記事が投資判断に与える影響度はゼロです。

(参照した記事:'Sell everything,' DoubleLine's Gundlach says

Sell Everything???

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