移動平均線のおかげで損切りが遅れてしまった!?

多くのトレーダーが移動平均線を使っています。「私はファンダメンタルズを重要視しているから滅多にチャートは見ない」、と言う人でさえ移動平均線を利用しています。トレンドを把握する、レジスタンスやサポートの位置を確認する、売買タイミングに利用する、と移動平均線には様々な利点があります。

下は、アマゾンの日足チャートに3本の移動平均線を入れたものです。


緑の線は短期トレンドを表す20日移動平均線、青は中期トレンドを示す50日移動平均線、そして赤は長期トレンドを示す200日移動平均線です。現時点では3本が揃って上昇していますから、買いが基本的な姿勢です。

しかし、こんな事がよく起きます。


株価が上昇する20日移動平均線から跳ね返るのを見て、Yさんは、1でアマゾンを買いました。2で株価は20日移動平均線を割りましたが、損切りはしませんでした。3では50日移動平均線割れが起きましたが、そこでも損切りをしませんでした。4では巨大な陰線が現れ、BとCの矢印で分かるように、20日と50日移動平均線は明確に下げています。しかし、そこでも損切りはしませんでした。なぜなら、200日移動平均線は上昇が続き(A)、長期アップトレンドに変化は無いからです。それに、200日移動平均線がサポートになる可能性もあります。しかし、株価が200日移動平均線を決定的に割った日(5)、Yさんはアマゾンをとうとう売って損切りです。

多くの人たちが、Yさんのような間違いを犯します。損切り価格を、あらかじめ決めていなかったのが悪い、と言ってしまえばそれまでですが、極端な言い方をすると、3本も移動平均線を使ったのが損切りが遅れた原因です。

アマゾンを買った理由は、株価が短期トレンドを示す20日移動平均線から跳ね返ったからです。言い換えると、短期的な指標を利用して買いを実行した訳ですから、短期的な条件が崩れた20日移動平均線割れ(2)で、直ぐに損切るべきです。

しかし、Yさんのチャートには中期トレンドを示す50日移動平均線、それに長期トレンドを表す200日移動平均線も入っていますから、損切りのタイミングが遅れてしまいました。正に、「株価は短期的に弱くなっているが、長期的なアップトレンドは疑いのない事実なのだから、株価が上昇に転じるのは時間の問題だ」、という考え方に完全に支配されてしまったのです。

これも極論になりますが、短期売買をしたいのなら、入れる移動平均線は20日移動平均線だけにして、50日と200日移動平均線は消すべきです。現に、使っている移動平均線は8日移動平均線だけ、という短期トレーダーもいます。繰り返しになりますが、短期的なトレードをしたいのであれば、使う指標も短期指標だけを使うのが良策と思われます。

コメント

cyatolan さんの投稿…
こんにちは。仕事の休みを利用しての投稿です。
Yさんの買いは20MAと50MAの乖離が開いているので、短期~中期では買われすぎている気がします。また、3の上あたりにある20MAと50MAの形状が鳥の口端に似ているので、私はこれが形成されようとしたときは要注意しています。