2016年7月10日日曜日

金はやはりペット・ロック?

約1年前、ジェイソン・ズワイグ氏は、「金はペット・ロック(ペット石)である」、という記事をウォール・ストリート・ジャーナルに発表しました。


その後、金は20%の大幅上昇となり、ズワイグ氏は先週、こんなことを述べています。

「ズワイグはバカだ」、と思っているのは、あなた一人だけではない。私も、同様なことを考えていたところだ。
ズワイグ氏は敗北を認めたな、と思ったのですが、どうやらそうではないようです。負け惜しみのようにも聞こえますが、氏は短期的な値動きだけを見て、投資判断が間違っていたと判断するのは誤りである、と語っています。もちろん、この考え方はデイトレーダーや、数日間だけ株を保有するスイング・トレーダーにはあてはまりません。

一例として、ズワイグ氏は、アップル株を挙げています。
2001年10月、iPod発売開始の報道を聞いてアップル株を買った人は、直ぐに利益を上げることはできなかった。現に、アップル株は1年間で25%の下落となった。短期的な値動きだけで判断すれば、アップル買いは間違っていたことになるが、長期的な視野を持って投資した人の見方は正解であり、アップル株は7900%の上昇となった。
金が、もし本当にペット・ロックであるのなら、この1年間で達成した20%の上昇は間違いである、と結論することができます。下は、ズワイグ氏の説明の要点です。
金はいざという時の保険である、と一般的に解釈されている。英国は国民投票でEU離脱を決め、世界の中央銀行は経済を好転させることに四苦八苦し、世界には現在12兆ドルに及ぶマイナス利回りの国債が存在し、明らかに今日の社会は混乱している。
2008年10月、世界が金融危機のまっただ中にいた頃、金価格は今日より30%低かった。2011年8月、スタンダード&プアーズ社が米国のクレジットを格下げした時の金価格は、現在より40%高かった。今日の世界の不安は、金融危機の時より悪いだろうか?2011年の夏は、現在より暗い状態だっただろうか?
投資家たちは今日、世界情勢が更に悪くなることを確信し、金が万能薬であることを疑わずに金を買っている。現に、今年前半で金のETFに流れ込んだ新規資金は122億ドルにのぼり、米株のETFに流入した資金を上回っている。
過去と全く同じことが繰り返されることはない。しかし、金がここから更に大幅上昇することは前例に従わないだけでなく、前例を破ることになる。私はバカだろうか?私は多くのことに関して間違った見方をしていたことは認めるが、金に関しては間違っていないと思う。
投資心理という面から見た場合、大衆は金に対して極めて強気です。

チャート: sentimentrader.com
円で囲いましたが、金に対する強気は、最近3年間で見たことのない高レベルに達しています。ドイツ銀行が破綻し、世界に恐慌がやってくるなどといった予想も頻繁に聞かれ、投資家たちは最悪な事態に備えています。

チャート:finviz
その一方、賢い資金と呼ばれるヘッジャーたちは、ほぼ史上最高に匹敵する金の空売りポジションを抱えています(矢印の部分)。「人の行く裏に道あり花の山」、という相場の格言に従うなら、ここからの金の買いは要注意です。

(参照した記事:Gold: It’s Still a Pet Rock

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