賢い資金が、この高値圏で強気になった!?

今朝、目についたのはこのヘッドラインです。

ゼロヘッジから
記録的な18週連続の売りが続いていましたが、とうとう1週間にわたる買い優勢、スマート・マネー(賢い資金)が株式市場へ戻って来たことを伝える見出しです。

しかし、何かヘンではないでしょうか?この高値圏で、まるで素人投資家のように、スマート・マネーが買い姿勢に変身することがあり得るのでしょうか?下は、ダウ平均の週足チャートです。


あと1.9%ほど上昇すると、1年前に記録された史上最高値を突破となります。

「スマート・マネーが株式市場へ戻って来た」、という結論は、このデータから引き出されています。


バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは、顧客(ヘッジファンド、機関投資家、裕福な投資家)による米株の売買金額を毎週発表しています。線が0より下に伸びている場合は、売り金額が買い金額より多いことを示し、0より上なら買いが売りを上回っています。見てのとおり、18週連続で売りが優勢でしたが、円で囲った部分で分かるように、今回は19週間ぶりに買いが売りを上回りました。

もう一度、ダウ平均の週足チャートを見てみましょう。


18週間に及ぶ売りが優勢であったということは、2月の安値以来、スマート・マネーは株を売り続けていたことになります。正に、彼らはこの上昇相場に乗っていなかったことを意味し、スマート・マネーではなく「愚かな資金」という言葉の方が似合います。

なぜ、スマート・マネーは、弱気な姿勢を続けていたのでしょうか?大きな原因の一つは、6月23日に迫った英国のEU離脱・残留を決定する投票です。ファンド・マネージャーたちは最悪の事態に備えて、米株だけでなくヨーロッパ株、特に英国株をポートフォリオから減らしていることが報道されていました。しかし、ここに来て強気に転換したということは、英国がEUを離脱する可能性は無くなった、と判断できる証拠をつかんだのでしょうか?

私は、SentimenTraderを購読しています。理由は、馬鹿らしいと思われるかもしれませんが、好きなアナリストがこのサイトを勧めていたからです。SentimenTraderは、投資家たちのセンチメント専門のサイトで、特に興味深いのはこのチャートです。

チャート:SentimenTrader.com
上半分はS&P500指数、下に表示されているのがスマート・マネー(青い線)、そして赤い線が「愚かな資金」のセンチメントです。簡単に説明すると、スマート・マネーはヘッジャーやコマーシャルと呼ばれるプロたちのオプシン市場における資金の動き、そして愚かな資金はオプシン市場における個人投資家たちの動きを示します。右側に目盛りが付いていますが、0.7を超える数値は強気、0.3を下回る数値は弱気を表わします。

1から6で示した矢印を見てください。完全な底ではありませんが、底付近で強気になっているのは、賢い資金であるヘッジャーたちです。最近の様子、そして現在の様子を見てください(7、8)。強気になっているのは愚かな資金であり、賢い資金は弱気です。今までを振り返ってみると分かりますが、指数の上昇が決定的に明らかになったところで、愚かな資金は強気に転換する傾向があり、安値圏では弱気です。

ゼロヘッジのヘッドラインは、「スマート・マネーが戻って来た」、と書いていますが、これは誤解を招く表現です。18週間も売り優勢が続いたのですから、たった最近1週間のデータを見ただけで、スマート・マネーが戻って来たと判断するのは早すぎです。言い換えると、一回だけの出来事では、トレンドが完全に変わったと判断することは無理です。現に、ゼロヘッジの同記事には、こんなチャートも掲載されています。


これもバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチから発表されたものです。ヘッジファンド、機関投資家、裕福な投資家たちの今年ここまでの資金の動きです。3本揃ってゼロより下で動いています。要するに、米株を売った金額は買った金額を上回っている状態です。確かに、先週だけは買いが優勢となりましたが、大勢に変化は無い状態です。

(情報源:"Finally, A Week Of Buying" - After A Record 18 Weeks Of Selling, The "Smart Money" Is Back

SentimenTrader

コメント

佐波めぐみ さんの投稿…
こんにちは。
「愚かな資金」(赤線)が0.7超えの現状では、お買い物はしばらくお預け?
バーゲンセールまで待ってみます。
T Kamada さんの投稿…
佐波めぐみ さん

私も賢い資金が強気になるまで待ってみたいと思っています。コメント有難うございます。