惨めな米雇用統計、しかしマーケットは、、

「6月の金利引き上げの可能性は完全に消えた」、というのが、今朝の米雇用統計から引き出された答えです。5月の非農業部門雇用者数は+3.8万人、予想されていた+16万人を大きく下回りました。

ブルームバーグTV
・ビル・グロース: 今日の雇用統計は、金利引き上げを遅らせるのに十分なショックとなった。
・惨めな内容の雇用統計だ。-- ミシェル・マイヤー(バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ)
・6月、7月のFOMCで、金利引き上げが決定されることはない。 -- ニール・ダッタ(レナザンス・マクロ)
・今朝の雇用統計には良い材料が見つからない。 -- デイビッド・ドナベディアン(アトランティック・トラスト・ウェルス・マネージメント)
ということで、金曜の米国株式市場は下げでスタートを切りました。下は、S&P500指数に連動するETF、SPDRs S&P500 Trust (SPY)の3分足チャートです。


Aが寄付きです。悪い雇用統計に素直に反応して、窓を開けての下げでスタートしています。50分後(B)、マーケットは、ほぼ1%の下げを記録し、売り手が圧倒的に優勢な状態でした。しかし見てのとおり、マーケットの下げはそこで止まり反発ラリーが始まりました。


上は、S&P500指数に連動するETF(3分足)にVWAP(出来高加重平均)を入れたものです。簡単に説明すると、株価がVWAPより上なら市場参加者は強気、それより下なら市場参加者は弱気です。

先ず、最初の心理変化は1で起きています。長続きせずVWAPを割ってしまいましたが、2で分かるように、ETF価格はVWAPの上に直ぐ戻り、その後は強気な展開となりました。更に、3と4で分かるように、VWAPがサポートになった様子を見ることもできます。

株価、またはETF価格がVWAPより上にある場合は、今日のマーケットで買った人たちの損益を合計するとプラスになっていることを示します。それより下なら損益合計はマイナスです。ということで、VWAPは移動平均線と同様に、多くのトレーダーに利用されています。

(参照した記事:'Holy weak growth, Batman!': Here's what Wall Street is saying about the worst jobs report since 2010

コメント

K.egi さんの投稿…
市場参加者の平均損益がプラスとなり、人々が悦楽の中に利食いを始める時、天よりクマの大王が舞い降りるであろう
byクーマ ファーバーの大予言
amelie さんの投稿…
こんにちは
いつも勉強になります
stockchart comではこのVWAPがみれないようですが、いつもこの数値をみるときはどのようなサイトがおすすめですか おしえていただければうれしいです
VuiGSUkRM_6yNz.4CH.IHKtNBUw- さんの投稿…
あれだけ悪かった雇用統計にもかかわらず、ほとんどダウ下げず。
もう何がどうなったらダウが調整するのかわかりません。
なんの力が働いているのでしょうか・・・
何らかのパニックが起きない限り、少しずつ上げ続けるのかと
思えるくらいです。

ダウの年足を見てもここから上げていくようにも思えませんが
このダウの強さには違和感を抱くばかりです。

Tamadaさんはファンダ的、テクニカル的に
さらなるダウの上げ余地はあると思われますか。
T Kamada さんの投稿…
amelie さん

無料サイトなら、ここで見ることができます。日足や週足では見れないので、分足単位のチャートを使ってください。https://goo.gl/jDSL2h
T Kamada さんの投稿…
VuiGSUkRM_6yNz.4CH.IHKtNBUw- さん

難しいマーケットが続いていますね。私もよく分かりません。

たとえば、マーケットの割高、割安を分析する一方法にシラーPERがあります。(http://www.multpl.com/shiller-pe/)

現在のS&P500指数のシラーPERは26.22倍です。歴史的平均値の16.67倍を大きく上回っていますから、米株は明らかに割高であり、ここからの積極的な買いは勧められません。

これは、ダウ平均の過去20年間の季節性チャートです。(http://goo.gl/S4BpJ8)
見てのとおり、6月の初旬が天井となって、10月の中頃まで下げる傾向があります。ですから、季節的にも、ここからの積極的な買いは勧められません。

しかし、個人投資家たちのセンチメントを考えると、マーケットはまだ上昇する余地があると思います。今週発表されたAAIIからの調査結果ですが、株に強気という回答は30.2%しかありません。(歴史的平均値は38.5%)天井では皆が強気、お祭り状態ですが、現時点では、まだそのような様子を見ることはできません。

これは、S&P500指数に属する銘柄の何%が50日移動平均線より上にあるかが示されています。(http://schrts.co/z0AQJh)金曜のマーケット終了時点での数値は69%です。一般的に80%突破が過熱状態と解釈されていますから、マーケットは、もう少し上昇する余地があると思います。

ということで、難しいマーケット状況です。英国のEU離脱、残留を決定する投票も迫っていますから、ますます判断の難しい状態です。