米国株式市場: 強気論者数は記録的な低レベル

個人投資家たちは極めて弱気です。AAIIが毎週行っているセンチメント調査によると、米株に対して強気だという回答は、たったの19.3%でした。AAIIが意見調査を始めてから29年の年月が経過しましたが、20%割れが起きるのは、これで30回目という稀な出来事です。


何故、こうも強気意見が少ないのでしょうか。主な理由は五つ挙げられていますが、内容はいつもと同じであり、新しいものは一つもありません。
・ゆっくりな米国経済の成長
・先行き不安な世界経済
・テロと戦争不安
・企業利益の衰え
・割高な米株
 特に、米国経済の成長速度については、ほぼ半数に相当する49%が、ゆっくりとしていると答え、22%は貧弱であると回答しています。

AAIIのチャールズ・ロットブラット氏によると、このような極めて低い数値が記録された後は、S&P500指数は上昇する傾向があると述べています。
過去29回を振り返ると27回がプラスだ。強気センチメントが20%を割った26週間後、S&P500指数は平均で12.6%の上昇となっている。
ドラゴンフライ・キャピタルのグレゴリー・ハーモン氏も、極端に低い強気センチメントに驚き、金曜のブログで4つのことを指摘しています。

チャート:グレゴリー・ハーモン氏のブログから
上の日足チャートは、S&P500指数に連動するETF、SPDR S&P 500 (SPY)です。下が4点の説明です。
1、RSI(相対力指数)は、強気を示す40以上で推移している。(注: 50以上が強気である、という見方をする人たちもいます。)
2、2月の安値から最近の高値で計算した場合、現在テストされているのは23.6%の値戻しレベルだ。言い換えると、これだけ強気論者が減っているにもかかわらず、マーケットは、たったの23.6%しか戻していない。
3、マーケットは200日移動平均線より上で推移している。これは基本的なルールだが、200日移動平均線より上はブル、それより下がベアだ。
4、アキュムレーション/ディストリビューションには、2月の底から強い買いが続いていることが示されている。現時点では売り圧力を見ることができない。
ジョージ・ソロス氏はマーケットの下げを予期して、保有しているS&P500指数のプット・オプション数を2倍に増やした。カール・アイカーン氏は、ポートフォリオの150%に相当する膨大な空売りポジションを抱えている。そして、米株に現在投資する理由は無い、というゴールドマン・サックスからの意見も最近発表されましたから、強気センチメントが20%を割っても仕方ないと思われます。

しかし、ハーモン氏が指摘しているように、現時点ではマーケットに際立った弱さを見ることはできません。私は200日移動平均線に注目しています。この移動平均線は長期トレンドを把握するために多くの人が利用していますから、本格的な売りが訪れるのは、この移動平均線割れが起きてからになると思います。

(参照した記事:AAII Sentiment Survey

Soros Fund Management outlines new allocations

With A Historic -150% Net Short Position, Carl Icahn Is Betting On An Imminent Market Collapse

4 Things to Watch in the S&P 500

コメント

zihuatanejo921 さんの投稿…
こんにちは。いつも貴重なお話をありがとうございます。

質問させていただいて差し支えないでしょうか。

今回ご紹介いただいたデータによると
「20%割れは29年間で30回目」
とのことですが、直近2回の暴落(昨夏のチャイナショック、と2016年初暴落)
の直前においても、同様に強気回答が20パーセントを割れるような状況だったのでしょうか。

もしご回答いただければ、で結構です。
どうぞよろしくお願いいたします。m(__)m

質問者は @5pls5 (https://twitter.com/5pls5)
です。
T Kamada さんの投稿…
zihuatanejo921 さん

少し調べてみました。先ず、強気センチメントは、ここで見ることができます。(https://ycharts.com/indicators/investor_sentiment_bullish)

チャートは過去6カ月(6m)、5年間(5y)などに調整できます。

最近20%割れが起きたのは今回の19.34%、2月11日の19.24%、そして1月14日の17.90%です。

興味深い位置で20%割れが起きていますね。
zihuatanejo921 さんの投稿…
T Kamada さん

さっそくリンク先で確認させていただきました。株価の動きとも面白い相関が見出せそうで、詳しく調べたいと思います。
また、ychartsのサイトは初めて見ましたが様々なデータが揃っていて、非常に興味深いです。今後も活用させていただきます。

ご回答いただき、誠にありがとうございます。引き続き宜しく御願い致します。m(__)m