惨澹たる米国小売業銘柄

有名デパート、メイシーズは予想を大きく下回る決算を発表し、水曜の取引で株価が15%の大幅下落となりました。下が日足チャートです。


出来高は通常の8.4倍(1)、正に狼狽売りです。下降する200日移動平均線(2)で分かるように、メイシーズのトレンドは下げ基調です。著名投資家ポール・チューダー・ジョーンズ氏は、こんなことを語っています。

投資判断をする基準の一つとして、私は200日移動平均線を使っている。投資の鍵は、いかにしたら多額の資金を失わないですむかということだ。もし、あなたが200日移動平均線を使うのなら、守りを固め撤退すべき時が分かる。
要するに、「200日移動平均線より下にある株を買ってはいけない」、ということであり、投資アドバイザーのジョー・ファミ氏はこう述べています。
200日移動平均線より下にある株は健康状態が優れない。
話を小売業銘柄に戻します。

冴えないのはメイシーズだけではありません。多くの小売業銘柄が低迷しています。代表的なものを、いくつか見てみましょう。(数字は水曜の下げ率です。)

・ノードストローム(高級デパート) -7.02%



・ Guess?(衣料品店) -6.56%



・ ターゲット(大手ディスカウント店) -5.43%


安値から回復していましたが、200日移動平均線の下へ戻ってしまいました。


・ ウォルマート(ディスカウント店最大手) -3.46%


株価は200日移動平均線より上ですが、移動平均線は、まだ下向きです。


・ ティファニー(宝石店) -6.00%




こんな状態ですから、小売業銘柄に投資しているETF、SPDR S&P Retailも冴えない状態です。


4%を超える大きな下げで水曜の取引を終了しています。

こんな中で目立つのは、オンラインの小売店アマゾンです。下の日足チャートで分かりますが、水曜の取引で史上最高値を記録しています。


まるで全ての客がアマゾンへ逃げてしまった、といった様相ですが、はたしてこの好調な展開は、いつまで続くのでしょうか?

小売業銘柄が低迷している大きな理由は売上と利益の悪化です。単純な言い方をすれば、消費者たちがお金をガンガン使ってくれれば、売上の問題は解決します。

ひとつ心配材料があります。

チャート: ゼロヘッジから
上のチャートには、米国消費者が抱えるクレジットカードの借金の推移が示されいます。一番右側、最新のデータ(3月)を見てください。突出した棒線で分かるように、3月は110億ドルの上昇、史上最大の金額です。正に消費者たちは、クレジットカードを使いまくった訳です。

米国の小売店へ行くと分かりますが、現金で買い物をする人は、あまりいません。ガソリンスタンドからスーパーマーケットまで、ほとんどの人たちがクレジットカードを使っています。もちろん、オンラインでは現金での支払いは不可能ですから、全てがクレジットカードです。

心配材料というのは、史上最大の伸びを見せた3月のクレジットカードの借金です。ひょっとすると、ここが天井、個人消費のピークになるかもしれません。下のチャートを見てください。

データ:セントルイス連銀 
インフレを考慮して計算された米国の世帯所得の推移です。1999年がピークとなり、国民の所得は目減りしている状態ですから、クレジットカードは月々の出費を補う重要な財源になっていることでしょう。

クレジットカードには制限があります。あくまでも推測ですが、3月の歴史的に増えた金額で、多くの人たちのクレジットカードが使える金額の上限に達した可能性があります。もしそうだとすれば、好調なアマゾンの株価も、そろそろ天井となるのではないでしょうか。もちろん、個人消費が冷え込めば、米国が景気後退に陥る恐れもあります。

(参照した記事:Americans Unleash Epic Debt-Fuelled Spending Spree As Credit Card Debt Jumps Most On Record

Macy's Massacred After Slashing Outlook On "Uncertain Consumer" As Inventories Reach Record Highs

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