米国株式市場: 3月、4月に好調なセクターは何?

二日前になりますが、こんな見出しがありました。

The Economic Collapseから
「経済回復?米国の大手13小売業者は店を閉めている」、という意味になります。しかし、こういうニュースもあります。
ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した1月の個人消費支出は前月比0.5%増と底堅く伸びた。市場予想の0.3%増を上回った。支出が幅広い分野で増えた。MUFGユニオン銀行(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「年明けの消費者心理は向上し、物価も上がりだした。米経済は成長の持続に向けて正しい道筋を歩んでいるという力強いメッセージを消費者は送っている」と話している。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、こんな報道をしています。
1月の米小売売上高、前月比0.2%増-予想上回る
米商務省が12日発表した1月の小売売上高(飲食代含む、季節調整済み)は前月比0.2%増の4499億ドル(約50兆9000億円)。前年同月に比べると3.4%増加した。1月は自動車、日用品、建材といった主要項目の売り上げが拡大した。
下は、米国の小売売上高(飲食代を含む)の最近10年間の推移です。(単位は100万ドル。灰色の部分は景気後退期を示す。)2010年以来、順調に伸びています。

資料: セントルイス連銀
ロイターは、「支出が幅広い分野で増えた」、そしてウォール・ストリート・ジャーナルは、「自動車、日用品、建材といった主要項目の売り上げが拡大した」、と報道しています。しかし、一番上の見出しによれば、大手13の小売業者は店の数を減らしている状態です。13社とは、どの小売業者のことでしょうか?
・ シアーズ(百貨店)、・ スポーツ・オーソリティ(スポーツ用品)、・ コールズ(デパートメントストア・チェーン)、・ ターゲット(ディスカウント百貨店チェーン)、・ ベストバイ(家電量販店)、・ オフィス・デポ(オフィス事務用品)、・ ウォルマート(世界最大のスーパーマーケットチェーン)、・ Kマート(ディスカウント百貨店チェーン)、・ JCペニー(百貨店)、・ メイシーズ(百貨店)、・ GAP(衣料品)、・ エアロポステール(衣料品)、・ フィニッシュ・ライン(アスレチック・シューズ)
以上大手13社が店の数を減らしても、小売売上高は実際に伸びている訳ですから、「経済回復?米国の大手13小売業者は店を閉めている」、というタイトルは大げさすぎるように思われます。この記事を書いたのはマイケル・スナイダー氏ですが、こう説明しています。
もちろん、小売業界は大きく変わっている。オンライン業者からの挑戦は年々激しくなり、人々の消費パターンも大きく変わった。しかし、米国の中産階級が減っていることは事実であり、自由に使用できる所得の総額も減っていることを考えると小売業界の将来は暗い。中産階級が繁栄するためには、良い給料を払う仕事が必要だ。オバマ政権が発足して以来、良い給料を払う仕事は低賃金な職と入れ替わり、現時点において51%の米国労働者の年収は3万ドル未満だ。もちろん、こんな年収では家族を満足に養っていくことはできない。
上記したロイターの記事には、こんな一文もあります。
基調的な物価は4年ぶりの高い伸び率を示し、米連邦準備理事会(FRB)が今年利上げを進める可能性を残す結果となった。
物価が上がっている、金利が再度引き上げとなる可能性がある、しかし中産階級の給料は上がらない。これでは小売業に大きな伸びを期待するのは無理だと結論してしまいますが、株の世界では、3月と4月は一般消費財が好調です。


上は、過去20年間の一般消費財セクターの季節性です。矢印で示しましたが、3月と4月の上昇が目立ちます。

下は小売銘柄に投資しているETFの日足チャートです。既に上昇が始まり、3月と4月の季節性に期待した買いが入っているようです。



(参照した記事:Economic Recovery? 13 Of The Biggest Retailers In America Are Closing Down Stores

コメント

amelie さんの投稿…
いつも教えていただきありがとうございます
質問ですが、今日twitterを拝見しました。They're short the Russell 2000, the S&P 500, and the Nasdaq.とありましたが、このソシエテジェネラルのチャートを定期的にみれるところはありますか。。
T Kamada さんの投稿…
amelie さん

これはビジネス・インサイダーに掲載されていたものです。(http://goo.gl/aBKkjk)

ソシエテ・ジェネラルに口座がある人たちへ配られたもののようです。