ファースト・クラス、ビジネス・クラス、エコノミー・クラス、そしてその次は?


満員のエコノミー・クラスです。1時間、2時間程度の旅ならいいですが、ロサンゼルス~成田のように10時間も乗っている場合は、体を十分に伸ばすスペースが無いのでエコノミー・クラスはとても疲れます。

さて、皆さんはラスト・クラス(last class)という座席があることをご存知でしょうか?lastは、「順番が一番最後」という意味ですから、あまり座りたいと思うような席ではありません。
エコノミー・クラスが現状より悪くなることなど考えられないが、ラスト・クラスがとうとう登場した。大手航空会社は格安航空会社に対抗するため、座席は更に窮屈、そして機内でほとんどサービスを受けることができないラスト・クラスを導入する。(USA TODAY)
航空会社はフレンドリーなサービスを自慢したものだった。しかし今日、フレンドリーという言葉は「虐待」に入れ替わった。-- ケンドル・クレイトン(FlyersRights、消費者擁護グループ)
格安航空会社に対抗するため、最大手のアメリカン航空は2016年からラスト・クラスを開始します。安い航空券を販売することで、スピリット航空やアレジアント航空から客を奪うのが狙いです。デルタ航空は、既にラスト・クラスに似たサービスを開始しており、航空料金はたしかに安いですが、キャンセルはできない、日程は変更できない、航空券の払い戻しはできない、事前に座席を予約できない、とかなり多くの規制があります。 

追加料金が多いのもラスト・クラスの特徴です。荷物チェックイン料金、機内持ち込み手荷物料金、機内での飲み物、スナック料金と様々な料金が待っています。更に、空港のカウンターに設置されているコンピューターを使って自分でチェックインをするなら問題ないですが、係員を使ってチェックインする場合は追加料金を取られます。正に、人間と話すには料金が必要な時代になった訳です。

座席は小さくなっただけでなく、脚を伸ばせるスペースも狭くなり、機内には可能な限りのラスト・クラス座席が設置されています。日本流に言うなら、すし詰め状態です。このように狭い場所に多数の小さな席を設置することを、航空会社は何と呼んでいるでしょうか?正解は「densification(高密度化)」です。
ラスト・クラスの最悪なことは何だろうか?それは、乗客が二流市民になったような気分になってしまうことだ。(USA TODAY)
普通のエコノミー・クラスの航空券を買ったつもりでも、知らずにラスト・クラスのチケットを買ってしまうことがあるので注意が必要です。少しでも安い航空券を手に入れたいのは誰でも同じですが、USA TODAYによると、一番安いものはラスト・クラスである可能性が高くなります。

さて、大手航空会社が対抗しようとしている格安航空会社には、こんな事実があります。
10月、スピリット航空が時間通りに到着したのは80%以下、業界で最低の数字だ。更に、スピリット航空とフロンティア航空への苦情数は業界で最大だ。(フォーチュン)
追加料金だらけのラスト・クラスに客は満足するでしょうか?二流市民のように扱われた、と感じる客が増えれば、これは最終的に大手航空会社のイメージ・ダウンになると思います。

とここまで書いてきましたが、どうやら私の考え方は間違っているようです。米国の航空業界が好調になったのは最近の話です。この業界は長い不況が続き、リストラ、吸収合併、倒産、と厳しい状況が続き徹底したコスト削減が実施されました。更に、手荷物料金だけでなく他の追加料金も次々と導入されましたから人々は閉口し、航空会社のイメージは既に悪くなっていました。ということでラスト・クラスの登場を驚く人は一人もいないことでしょう。フレンドリーなサービスは遠い昔の話であり、空の旅は不愉快な状況に耐える場になってしまったようです。

(参照した記事:Dear Flyers, There's a New Seat Even Worse Than Coach

Coach class continues downward spiral)

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