移動平均線は猿のようなもの?

株投資を始めると、移動平均線という言葉を遅かれ早かれ聞くことになる。50日移動平均線、200日移動平均線には予言的な力があるかのように人々は語るが、移動平均線が有効だったのはコンピューターが一般的に使われる前のことだ。現在のマーケットでは移動平均線は大して役にたたない。だから私たちは親しみを込めて、移動平均線を移動猿と呼んでいるのだ。(ヘッジアイ)

「大して役にたたない」という部分で分かるように、ヘッジアイは、移動平均線を使ったトレード方法を低評価しています。そんなに役に立たないものであるのなら、移動平均線は皆から既に見捨てられている筈ですが、現実はその反対であり、今日も多数の投資家やトレーダーが利用しています。

「トレンドを判断するために移動平均線は便利だ」、「移動平均線がサポートレベルやレジスタンスレベルを教えてくれる」、「複数の移動平均線を使うことで売買タイミングを計ることができる」、と利点がありますが、20年のトレード歴を持つアダム・グライムズ氏は、こんなことを述べています。
「移動平均線は本当に役に立つのだろうか?」という質問に、簡単に「イエス、ノー」で答えることはできない。私は徹底的に移動平均線を調査し、得られた答えは6つある。
1、特別に役にたつという移動平均線は存在しない。200日移動平均線が重要視されているが、193日移動平均線、204日移動平均線、またはその他の数値の移動平均線でも構わない。
2、株価が移動平均線に接触した、株価が移動平均線を上抜けた/下抜けたということは、将来のマーケットの方向に重大な影響を与えるものではない。
3、移動平均線の傾きがトレンドを判断する決定的な要素にはならない。
4、株価が移動平均線をクロスすることも決定的なトレンドの判断にはならない。
5、移動平均線を基盤に作られた指標もトレンド判断には役に立たない。
6、今日の科学を使って調査すると、移動平均線を使った伝統的なテクニカル分析方法の多くは役に立たないことが分かる。
ヘッジアイも6番目のことを指摘し、徹底的にバックテストをしてみると、移動平均線を使ったトレード方法では良いトレード結果を上げることができない、と結論しています。

では、移動平均線は、チャートを飾る単なる装飾品でしょうか?投資アドバイス会社であるヘッジアイの言うこと、それにベテラン・トレーダーであるグライムズ氏の言うことは事実だと思いますが、移動平均線の利点を一つ挙げたいと思います。


First Financial Banksharesという銀行株の日足チャートです。青い線は20日移動平均線です。株をトレードするには、トレードのルールが必要になります。この株は買いでしょうか、それとも売りでしょうか?この質問に答えられなくては、肝心のトレードを始めることができません。

上は一例ですが、A、Bのように株価が上昇する移動平均線より上にある場合は買いだけを考えます。Cの場合は、ローソク足が下降する移動平均線より下ですから空売りだけを考えます。要するに、株価と移動平均線の位置関係を見ることで、買いで入るのか、それとも売りで入るかを決める訳です。もちろん、移動平均線は自分の好みに合わせて、50日でも200日移動平均線でも構いません。

(参照した記事:Moving Monkeys

Does the 200 day moving average “work”?)

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