積極的に自社株を売る企業内部関係者たち

明日に感謝祭を控え、水曜の米国株式市場は閑散とした、おとなしい一日となりました。下は、ダウ平均に連動するETFの日足チャートです。


今日の値幅はたったの0.54ポイント、なんと1ポイントにも満たない極めて狭い値幅となり、出来上がったローソク足はまるで点のようです(A)。出来高(B)は200万株に届かず、通常の748万株を大きく下回りました。

さて、8月後半の崩れからマーケットは無事に回復しましたが、CNBCはこんな心配材料を報道しています。
跳ね上がった最近のマーケットには、重要なグループが参加していない。この上昇相場の中、役員や最高経営責任者などの企業内部関係者は、自社株を急ピッチに売却している。マーケット・データ会社トリムタブスによると、今月11月の企業内部関係者による自社株売りは毎日平均で4億5000万株に及び、これは2011年5月以来最高の数値だ。ウェルズ・キャピタル・マネージメントのジム・ポールセン氏は、「戸惑いを感じるデータだ。一般的に言えることは、内部関係者による売りは悪材料だ」、と語っている。
企業の経営内容に詳しい内部関係者による自社株売りは、たしかに気になります。皆が皆、同じ理由で自社株を売っているとは思いませんが、昨日のウォール・ストリート・ジャーナルの記事から、内部関係者が積極的に自社株を売っている理由を推測することができます。
デービッド・コスティン氏がリーダーを務めるゴールドマン・サックスのストラテジスト・チームは、S&P500指数は、来年2016年を2100で終了するという見方を発表した。要するに、現在のレベル(2088)と同レベルだ。このような精彩を欠く予想を発表した理由として先ず挙げられているのは、2016年、2017年の米国GDPには2.2%ほどの生ぬるい成長しか期待できないこと。更にコスティン氏は、企業の利益率も伸び悩みとなることを指摘している。来年と2017年の利益率は、今年と同程度の9.1%しか期待できないようだ。
ブルームバーグによると、今年の第1四半期から第3四半期までで、S&P500指数に属する大型企業の利益は250億ドルの減少となりました。特に第3四半期の利益は2009年以来最悪の3.3%の減少となり、第4四半期は、それより更に悪い5%減が予想されています。言うまでもなく、こんなことを一番よく知っているのは企業の内部関係者ですから、ここで自社株を手放すのは当然のことでしょう。

急ピッチな内部関係者の売りにもかかわらず、マーケットは上伸が続いていますが、いったい誰が買っているのでしょうか?トリムタブスによると、今日のマーケットを買い支えている大きな力の一つは、企業自身による自社株買いです。取締役たちは自社株売りに忙しい状態ですが、企業は自社株買いに相変わらず積極的です。10月以来、企業による一日あたりの自社株買いは平均で39億ドルに及び、これは2009年3月以来2番目に積極的な自社株買いです。

繰り返しになりますが、企業利益の減少方向がハッキリとし始めています。ゴールドマン・サックスは、来年の株式市場には大した期待をしていません。こんな状況での企業による積極的な自社株買いの意図には疑問を感じますが、私たち個人投資家は、ここからの買いは普段以上に慎重に検討する必要があると思われます。

(参照した記事:Insiders sending an ominous market signal

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