理屈に合わない値動きは絶好のトレード・チャンス

貴金属・宝飾品大手ティファニーの第3四半期の売上と利益は予想以下、そして通期見通しの下方修正がマーケット開始前に発表されました。この冴えない発表を受けて、ティファニー株は時間外取引で3%を超える下落となりましたが、通常取引が始まると株価は簡単に回復してしまいました。下は、ティファニーの日足チャートです。


大引けまで15分を残し、現在の株価は3.67%の大幅上昇、目立つ長い陽線(A)が形成されています。出来高も膨大です(B)。

とうぜん疑問になるのは、精彩を欠く決算発表だったにもかかわらず、なぜこうもティファニーは大きく買われたのでしょうか?ニュースやツイッターを調べてみましたが、これといった買い材料は見つからず、CNBCで株番組を担当するジム・クレーマー氏は、「ティファニーにはウンザリだ」、と語っています。

ということで、具体的な買い材料は不明ですが、今日のティファニー株で思い出したのは、『魔術師リンダ ラリーの短期売買入門』という著書の中で語られているニュースに関する章です。
1995年の強気市場をリードした株のひとつ、IBMについて、アナリストたちがその収益予想は達成されないであろうと発表したとき、S&P500先物は数ポイント上げた。必然的に、この発表はマーケットにダメージを与えるはずだった。マーケットをリードしてきたハイテク産業の株について、アナリストたちは、そのビジネスは皆が思っているほど好調ではないと言ったのだ。IBMは新聞発表の後に急激に下落した。そして、S&P500は初めに2.5ポイント失った。しかし、マーケットが「私はIBMを気にかけません。私はもっと高いところへ行きます!」と言ったとき、売り込みは素早く無視された。S&P500はすぐに反転し、3ポイント上昇した。次の日はさらに5ポイント上がった。
今朝のティファニーと著書の中で挙げられているS&P500に共通していることは、両者とも悪材料を跳ね返して、簡単に一転反発したことです。最初は皆が思ったとおりの下げでしたが、それは長続きせず、最終的に待っていたのは理屈に合わない上昇ラリーの展開です。

繰り返しになりますが、今朝の時間外取引では、ティファニー株は皆が思っていたとおりの展開となり3%を超える下げとなりました。しかし、実際に通常取引が始まるとティファニーは一転して、論理的に辻褄が合わない強い上昇となりました。『魔術師リンダ ラリーの短期売買入門』の著者は、こう書いています。
よく知られているあるマーケットの魔術師によると、彼がトレーディングで儲けた1億ドルの半分くらいは、マーケットがいわゆるロジックを拒絶し、反対方向に動く時期がいつかを、特定できるようになったときから稼いだそうだ。
注目は、「マーケットがいわゆるロジックを拒絶し」の部分です。時間外取引でのティファニーは、悪い決算を受けて、誰もが予想していたように下げました。要するに、理屈に合った値動きでした。しかし、通常取引でのティファニーはロジックを拒絶して上げに転じてしまいました。この理屈に合わない値動きに、はたしてどれくらいの数のトレーダーが素早く反応することができたでしょうか?頭に入れておいてほしいことは、1億ドルを手に入れたトレーダーの儲けの半分は、ロジックを拒絶したマーケットの動きを利用していたということです。

(参照した記事:Cramer: ‘I’m sick of Tiffany’

Tiffany Misses on Q3 Earnings & Sales, Lowers Guidance

魔術師リンダ ラリーの短期売買入門

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