投資家たちは間違った株を買っていたことに気がついた??

入院した母に会いに行っていたので、先週はマーケットを全く見ることができませんでした。静かな病室に座っていると、まるで時間が止まってしまったような錯覚におそわれ、株式市場は極めて遠い存在に感じられました。

先週の米国株式市場は、ダウ平均マイナス3.71%、S&P500指数マイナス3.63%、そしてナスダックは4.26%の下げという冴えない展開でした。下げ原因の筆頭にあげられているのは、6日(金)に発表された強い米雇用統計です。

写真:THE Nation
先週、ダウ平均は8月以来最高の665ポイントの下落となった。いったい何が起きたのだろうか。答えは連銀だ。予想を大幅に上回る雇用統計が6日に公表され、マーケット関係者たちは、12月の金利引き上げはほぼ間違いないと結論した。
米国経済は好転しているのだから、金利を引き上げることは正しい判断だ。しかし問題は、ヨーロッパや海外の中央銀行が金利を引き上げるのは、まだまだ先の話であり、ここで米国が利上げを実施するとドル高が起き、輸出に頼る多数の大企業の収益にダメージを与える可能性がある。
更に問題なのは、企業利益の減退が既に見え始めている。第3四半期、S&P500指数に属する大型企業の利益は平均で3.7%のマイナスとなり、これで景気後退期以来初めて2四半期連続で利益が減少となった。(フォーチュン誌)
米国企業利益は既に不安な状態ですが、ウェルズ・キャピタル・マネージメントのジェームズ・ポールセン氏は、もう一つこのような心配材料をあげています。
米株の株価売上高倍率(PSR)は、インターネット株バブル以来初めて見る割高レベルに達している。
先週のマーケットが大きく売られた理由のもう一つとして挙げられているのは、「投資家たちは間違った株を買っていることに気がついた」、というものです。ご存知のように、米国の金利が引き上げられる、という話は昨日今日に出たものではありません。現に、多くの投資家は金利引き上げを予想し、それに備えてポートフォリオの調整をしていました。

国際金融グループ、バークレイズのイアン・スコット氏によると、金利が上昇する状況では金融株や商品関連株、そしてエネルギー株が有利であり、ヘルスケア株や公共株は低迷する傾向があります。金利の引き上げが差し迫っている、と判断した投資家たちは資金を有利なセクターに回していたのですが、今年ここまでの成績は満足できる内容ではありません。スコット氏は、こう述べています。
金利が上昇する環境では割安株が有利だが、今年の中頃から割安株は平均で2.3%の下落となり、マーケットのバロメーターであるS&P500指数より悪い成績だ。期待された銀行株もS&P500指数を下回り、金利上昇に強いマスメディア関連株も低迷している。しかし皮肉なことに、金利引き上げに弱い公共株は今年の中頃から2.4%の上昇となっている。
以前がそうだったから今回もそうなる、歴史は繰り返す、と投資家たちは過去のデータを基に有利なセクターに資金を移動させたのですが、ここまでの成績は全くパッとしません。そればかりか、気の早い投資家は資金移動は間違っていたと判断し、持ち株を売って損切っている状態です。スティーブン・ガンデル氏(フォーチュン誌)は、「実際に利上げが行われた場合、以前とは違った株がマーケットのリーダーになることだろう」、と述べています。

もちろん、こう考えることもできます。「利上げを予想して、エネルギーや商品関連、金融株に資金を移した投資家たちの判断は間違っていない。ただ買うタイミングが早すぎただけ。」 現にソシエテ・ジェネラルのアナリストは、「商品市場の底打ちが近い。鉄、銅、アルミニウム、亜鉛などのベースメタル関連が特に注目だ」、と述べています。

(参照した記事:Why a Fed Rate Hike May Catch Investors Off-Guard

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