買われ過ぎと売られ過ぎレベルに要注意

コナーズ氏の本は日本語にも訳されていますが、コナーズ氏のところで働いていたときに、証券取引所のスペシャリストから話を聞く機会がありました。


具体的な売買方法の話ではありませんでしたが、誰もが使っている指標を見ることで、トレーダーや個人投資家たちがどこで慌てるかを予想することができる、という内容の話です。
先ず、誰もが使っている指標というのはストキャスティクスのことです。パラメーターは特別なものではなく、ごく一般的な14・3・3を使います。

スペシャリストの話の要点です。
トレーダーたちは、売られ過ぎ、買われ過ぎを判断するためにストキャスティクスを利用している。80以上は買われ過ぎだから売り、20以下は売られ過ぎだから買い、と一般的に解釈されている。その解釈が間違っている訳ではないが、買われ過ぎな株は更に買われ過ぎとなり、売られ過ぎなものは更に売られるというのが現実だ。ストキャスティクスが買われ過ぎになったのときの株価、そしてストキャスティクスが売られ過ぎとなったときの株価に注目してほしい。なぜなら、そこが重要なレベルになるからだ。
具体的に説明します。下は、ヤフーの日足チャートです。


下降する矢印で分かるように、ヤフーは明確なダウントレンドです。話をしてくれたスペシャリストによると、株価が50日移動平均線(赤い線)より下ならダウントレンドと判断し、買いは考えず空売りの機会を探します。

株価がヤフーのように50日移動平均線より下にある場合は、ストキャスティクスが20以下、売られ過ぎになったときの株価に注意を払います。

先ず、Aを見てください。ストキャスティクスは20以下、そしてそのときに記録された安値は1です。20以下の数値は売られ過ぎだから買いだ、と判断した人たちがAで買いましたが、最終的には2で分かるように、株価は1の安値を割るブレイクダウンです。言い換えると、1で買った人は2で慌てて損切りです。

次にBを見てください。ストキャスティクスは数日間に渡って20以下で推移し、その時に記録された安値は3です。株価は反発しましたが、4で分かるように結局ブレイクダウンですから、長居をした人は損切りです。

Cも同様です。そのときに記録された安値は5、そして少し反発した後失速して、最終的にはブレイクダウンとなっています(6)。

現在は、次のブレイクダウンを待っている状態です。8月の終わり頃ストキャスティクスは20を割り、その時につけた安値が7です。ご察しのように、7の安値を割ることはDで買った人たちの損切りと同時に空売りも入りますから、株価は一段安となることでしょう。

アップトレンドの例を見てみましょう。


バイオテクノロジーのETFです。赤い線は50日移動平均線、そして株価が、この移動平均線より上で推移している場合はアップトレンドと判断し、買いの機会だけを探します。

先ずAです。ここでストキャスティクスは80以上となり、買われ過ぎであるというシグナルが出ています。買われ過ぎ=売りシグナル、と解釈する人が多いですから、1の高値付近では空売りをする人が多かったことでしょう。しかし、2で分かるように株価は1の高値を突破ですから、1付近で空売った人は損切りです。

Bではストキャスティクスが80以上の買われ過ぎがしばらく続き、そのとき記録された高値は3です。しかし、これも結局ブレイクアウトとなり(4)、3付近で空売った人たちは慌てて空売りの買い戻しです。もちろん、ブレイクアウトでは新規の買いも入りますから、株価の上昇に勢いがつく傾向があります。

ということで、次の2点に注目です。

1、アップトレンドの株が買われ過ぎとなったときの株価

2、ダウントレンドの株が売られ過ぎとなったときの株価

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